• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「物価高」倒産 今回の円安局面で最多の767件 食材や光熱費の上昇で飲食店が唯一、100件超

~ 2025年の 「物価高」倒産動向 ~


 2025年の「物価高」倒産は、2022年以降の円安局面で最多の767件(前年比9.2%増)に達した。
 上半期は344件(前年同期比8.2%減)で前年同期を下回ったが、下半期は423件(同29.3%増)と大幅に増加し、3年連続で増勢を維持した。
 負債総額は2,761億5,900万円(前年比22.8%増)で、2年ぶりに前年を上回った。洋紙製造の丸住製紙(株)(愛媛、負債590億円)など、負債10億円以上が39件(前年比14.7%増)で押し上げた。
 ドル・円相場は、2025年は1ドル=155円~157円台と円安水準で推移した。この結果、物価高が続き、仕入コストの上昇で価格転嫁が難しい小・零細企業を中心に、倒産の増勢につながった。

 「物価高」倒産は、資本金1千万円未満が464件(構成比60.4%)、従業員10人未満が544件(同70.9%)と小・零細企業が中心になっている。このため、経営を立て直す資金力に乏しく、形態別では破産が692件(同10.1%増)と9割(構成比90.2%)を超えた。
 業績回復が遅れた企業は、物価高や人件費などコストアップの影響に加え、低調な収益で過剰債務を抱えた企業も少なくない。抜本的な経営改善に向け、収益や生産性の向上につながる支援と同時に、自助努力が求められる。
※本調査は、2025年1-12月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(法的・私的)した企業を集計、分析した。

「物価高」倒産月次推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ