• TSRデータインサイト

2025年の「学習塾」倒産 過去最多の55件 少子化と物価高の中、小規模な学習塾が苦戦

~ 2025年「学習塾」倒産動向 ~
 2025年に発生した「学習塾」の倒産が55件(前年比3.7%増)で、2006年以降で最多だった2024年の53件を上回り、過去最多を更新した。
 負債総額は41億4,700万円(同64.6%減)で、前年の(株)個別指導塾スタンダード(福岡・負債83億2,400万円)の反動から減少した。負債1億円未満が52件と全体の94.5%を占めており、少子化と物価高の中で、生徒募集や講師の確保が難しく、値上げも容易でない小規模な塾の苦戦が目立つ。
 養育費を負担する保護者の実質賃金が伸び悩み、塾の進学実績などコストパフォーマンスへの目線がシビアになっている。実績や特徴を打ち出せない学習塾を中心に、今後も淘汰が加速しそうだ。
 
 2025年の学習塾の倒産は、販売不振が45件(前年比4.6%増)と8割(81.8%)を占め、競争からの脱落が深刻さを増している。小資本でも開業が容易なことから、資本金1千万円未満が43件(同2.3%増、同78.1%)と約8割を占め、小・零細規模の学習塾の淘汰が多いのも特徴だった。
 2025年1月、大学受験予備校の「ニチガク」で知られる(株)日本学力振興会(東京)負債1億7,000万円を抱え、東京地裁から破産開始決定を受けた。債権者349名のうち、約300名が塾生や従業員で、受験シーズンに突入した矢先の突然の教室閉鎖が波紋を呼んだ。
 オンラインの無料解説動画なども広がり、旧来のビジネスモデルに頼る学習塾には新たな脅威になっている。少子化で生徒の絶対数が減り、集団指導や個別指導、オンラインなど指導方法も多様化するなか、実績と独自性、付加価値を求められる塾の生き残り競争は激化している。
※本調査は、日本産業分類(細分類)の「学習塾」を抽出し、2006年から2025年までの倒産を集計、分析した。





✔原因別:「販売不振」が45件(前年比4.6%増、構成比81.8%)で最多。次いで、「他社倒産の余波」が6件(同100.0%増、同10.9%)、「既往のしわ寄せ」が2件(同50.0%減、同3.6%)と続く。
✔資本金別:「1百万以上5百万円未満」が25件(前年比13.6%増、構成比45.4%)で最多。以下、「1千万円以上5千万円未満」が10件(同11.1%増、同18.1%)、「個人企業他」が9件(同10.0%減、同16.3%)の順。1億円以上は発生しなかった。
✔負債額別:最多は「1千万円以上5千万円未満」が46件(前年比24.3%増、構成比83.6%)で、以下、「5千万円以上1億円未満」(同25.0%減、同10.9%)が6件。
✔従業員数別:「5人未満」が51件(前年比24.3%増、構成比92.7%)で最多。以下、「5人以上10人未満」が2件(前年比60.0%減、同3.6%)。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【2026年3月期決算】役員報酬額1億円以上の開示 過去最多の934人に 社数も387社で最多を更新 上位5人中、外国人4人

2026年3月期決算の上場企業2,198社のうち6月26日12時までに有価証券報告書の提出を確認できたのは9割(90.7%)の1,995社だった。例年と異なり株主総会前に有価証券報告書を提出する上場企業が増えた。報酬額1億円以上の役員を開示した企業は387社、人数は934人で前年の364社・887人を上回った

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=151.4円 調査開始の2011年以降、初めて対ドル150円を突破

歴史的な円安が加速する中、主な株式上場メーカー103社の2026年度決算(2027年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=150円が60社(構成比58.2%)と約6割を占めた。 調査を開始した2011年3月期首以降の16年間で、「想定為替レート」がドルに対し最安値を更新し、初めて150円を突破した。

3

  • TSRデータインサイト

東証グロースの海帆、資金繰り悪化が表面化

居酒屋経営などを手掛ける(株)海帆は6月26日、弁済が出来ていない民間企業1社に対する1億993万円の債務を巡り、名古屋地裁から預金の差押命令を受けたと公表した。また、5・6月の社会保険料を滞納しており、日本年金機構から商品代金・預金の差押を受けたと明らかにした。

4

  • TSRデータインサイト

「リファラル採用」 企業の半数に広がる 定着率はリファラルが新卒、転職エージェントを上回る

東京商工リサーチは、採用に関する企業向けアンケート調査を実施した。人手不足やAI・DXの普及で転職市場の活況が続き、近年はリファラルやアルムナイ採用も広がっている。特に、リファラル採用は、転職エージェントの紹介より従業員の定着率が高いと考える企業が多いことがわかった。

5

  • TSRデータインサイト

サッカーW杯 日本代表を支える40社 売上1兆円以上8社 設立10年未満も

2026年6月11日、米国・カナダ・メキシコの3カ国共催で、史上最大規模のFIFAワールドカップが開幕する。5月15日、日本代表メンバー26名も発表され、関心が集まるなか、スポンサーシップやパートナーシップなど、サッカー日本代表・日本サッカー協会を支援する企業40社を調査した。

TOPへ