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経営者アンケート “2014年はどうなる?”

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公開日付:2013.12.19

 アベノミクスで輸出関連の大手企業を中心に業績改善が進み、景気にも薄日が差し始めてきた。消費税率引き上げなど流動的な要素も待ち受けているが、果たして2014年の景気は飛躍するのか。東京商工リサーチでは全国の企業経営者を対象にアンケート調査を実施した。
 これによると全国の経営者の約半数(構成比47.3%)が「景気が良くなる」と回答。株価も「上昇する」が約半数(同49.6%)を占めた。景気浮上の機運が高まるなか、経営者の半数がポジティブに受け止めているようだ。
 一方、消費税率10%の引き上げ時期については、予定通りの2015年10月とする回答が約2割(同17.2%)にとどまり、大半は「時期尚早」と考えている。また、自社の賃金は約6割(同58.4%)が「変わらない」と回答し、景気拡大に期待する一方、コストアップには慎重姿勢を崩していない側面もうかがえた。

  • 本アンケートは2013年11月14日~11月22日の間、全国の経営者を対象にインターネットで実施し、3,539社から有効回答を得た。

調査概要

Q1.2014年の日本の景気はどうなると思いますか?

「景気は良くなる」「横ばい」で9割以上

 2014年の景気は「良くなる」が47.3%(回答社数1,675社)と約半数を占め、「横ばい」は42.9%(同1,521社)。一方、「悪くなる」は9.6%(343社)にとどまり、9割は景気上昇か現状維持とみており、景気の底離れを実感している経営者が増えているようだ。

Q1.2014年の日本の景気はどうなると思いますか?

 地区別では、関東(回答社数498社)、近畿(同267社)、中国(同130社)、九州(同190社)の4地区で、ほぼ半数が「景気は良くなる」と回答した。一方、北海道では「景気は良くなる」の比率が35.7%(同80社)にとどまり、9地区中で唯一40%を下回った。他地区より公共事業への依存度が高く、人手不足や資材高騰の不安要素が背景にあるようだ。
 中部は「景気は良くなる」が40.8%(同240社)だったが、「景気は悪くなる」も12.7%(同75社)と9地区中、最高だった。地区内経済を牽引する自動車関連業界が国内生産・販売の低迷予想に加え、消費増税率の引き上げ懸念が強い。

 産業別で「景気は良くなる」が、情報通信業55.8%(回答社数95社)で最多。次いで、不動産業51.2%(同40社)、建設業51.1%(同250社)の3産業で50%を超えた。一方、消費税率引き上げが直撃する小売業が41.4%(同78社)で最も低く、価格転嫁に不安を抱える製造業も44.8%(同500社)など、税率引き上げの影響を受けやすい産業で厳しい見方が目立つ。

 売上高別では、「景気は良くなる」(売上高不明を除く)は500億円以上が61.1%(回答社数33社)で最高だった。次いで、100億円以上500億円未満が49.7%(同117社)、50億円以上100億円未満が46.0%(同112社)と続く。売上規模が大きいほど「良くなる」の回答率が高く、500億円以上の「悪くなる」の回答はゼロ社だった。大企業ほど景気回復への歩みを実感していることがうかがえた。

Q2.2014年の対ドル円相場はどうなると思いますか?

対ドル円相場 「横ばい」が53.1%

 2014年の対ドル円相場は、「円高」予想が12.2%(回答社数433社)にとどまり、「横ばい」は53.1%(回答社数1,880社)で過半数を超えた。
 「円安」予想は34.6%(同1,226社)で、「横ばい」と合わせると9割(87.7%、回答社数3,106社)を占めた。行き過ぎた円高からの脱却はさらに進展するとみる向きが多い。

Q2.2014年の対ドル円相場はどうなると思いますか?

 産業別で「円安」予想は、金融・保険業が42.3%(同11社)と唯一40%を超えた。次いで、不動産業39.7%(同31社)から、卸売業39.5%(同346社)、小売業37.7%(同71社)、運輸業34.8%(同55社)、製造業33.7%(同376社)、情報通信業32.9%(同56社)、サービス業他30.5%(同129社)までが30%台だった。為替変動が業績に敏感に反映する産業で「円安」が目立った。20%台は農・林・漁・鉱業26.3%(同5社)、建設業29.8%(同146社)の2産業にとどまった。
 「円高」は、建設業が16.1%(同79社)でトップ。次いで、農・林・漁・鉱業が15.7%(同3社)、運輸業15.1%(同24社)と、内需型の産業で高かった。

 売上高別では、「横ばい」は、50億円以上100億円未満が64.6%(回答社数157社)で唯一6割を超えた。次いで、500億円以上が57.4%(同31社)、100億円以上500億円未満が53.19%(同125社)、1億円以上10億円未満が53.17%(同797社)、10億円以上50億円未満が52.0%(同580社)、1億円未満が51.0%(同141社)の順。すべての階層で5割以上が「横ばい」と回答した。「円安」の回答は、50億円以上100億円未満だけが26.3%(64社)と3割を下回った。

Q3.2014年の日経平均株価はどうなると思いますか?

株価予想 「上昇する」が49.6%

 2014年の株価予想は、「上昇する」が49.6%(回答社数1,757社)と、半数が「上昇」の予想だった。「横ばい」は38.3%(同1,356社)で、「上昇する」と「横ばい」の合計回答率は約9割(87.9%、回答社数3,113社)に達し、景気回復への期待感が表れているようだ。

Q3.2014年の日経平均株価はどうなると思いますか?

 地区別で、「上昇する」は関東が55.0%(回答社数531社)で最高。次いで、近畿53.6%(同284社)、四国50.9%(同81社)、中国49.0%(同123社)、九州48.79%(同181社)、東北48.73%(同172社)、北陸48.0%(同48社)、中部42.3%(同249社)、北海道39.2%(同88社)の順だった。「上昇する」は関東、近畿、四国で50%を超えたが、中部と北海道は4割前後にとどまり、見方が分かれた格好となった。

 産業別では、「上昇する」は金融・保険業57.6%(回答社数15社)を筆頭に、不動産業53.8%(同42社)、建設業52.9%(同259社)、情報通信業52.3%(同89社)サービス業他50.8%(同215社)、運輸業50.0%(同79社)の6産業で5割を超えた。農・林・漁・鉱業は「上昇する」が31.5%(同6社)と最低だった。今後のTPP交渉の行方が影響しているのか注目される。

 売上高別では、「上昇する」は、500億円以上で62.9%(回答社数34社)と唯一6割を超えて最高。次いで、100億円以上500億円未満が54.4%(同128社)、10億円以上50億円未満51.1%(同570社)、1億円以上10億円未満48.5%(同727社)、50億円以上100億円未満が46.5%(同113社)、1億円未満が43.8%(同121社)の順だった。
 売上高の規模が大きいほど「上昇する」との回答率が高く、売上高が小さくなるほど「下落する」が目立つ。ここでも「景気は良くなる」との回答と同様、規模による予想の相違が見られた。

Q4.消費税率の8%から10%への引き上げ時期(現在は2015年10月を予定)はいつが適当だと思いますか?

消費増税率10%への引き上げ時期 2016年4月が41.9%

 消費税率10%への引き上げ時期について、「2016年4月」が41.9%(回答社数1,484社)で最多となった。次いで、「引き上げなし」が28.4%(同1,007社)、「2015年10月」が17.2%(同610社)、「2015年4月」が12.3%(同438社)の順だった。消費税率10%への引き上げは、現在の引き上げ時期の2015年10月は17.2%と2割に満たず、足元の景気動向にまだ力強さを感じていない結果を反映している。

Q4.消費税率の8%から10%への引き上げ時期(現在は2015年10月を予定)はいつが適当だと思いますか?

 地区別も、ほぼ同じ傾向だったが、「景気は良くなる」との回答率が地区別で最低だった北海道は「引き上げなし」が37.5%(回答社数84社)と他地区より突出して高かった。

 産業別では、金融・保険業が「2015年10月」を約3割(同26.9%)と他の産業より高かった。一方、小売業は「引き上げなし」が35.1%(同66社)と目立ち、業績に直結するだけに増税には敏感に反応していることがうかがえる。

 売上高別(売上高不明を除く)では、500億円以上で「引き上げなし」が24.0%(回答社数13社)に対し、1億円未満は36.5%(同101社)と高率となった。規模の小さい企業ほど「引き上げなし」が高く、収益低迷に苦悩している中小企業の懸念を反映しているようだ。

Q5.2014年に月次賃金はどうなると思いますか?

賃金の見通し 「変わらない」が過半数

 2014年、自社の賃金は「変わらない」が58.4%(回答社数2,069社)で約6割を占めた。「アップする」は37.6%(同1,333社)、「ダウンする」は3.8%(同137社)だった。大手企業を中心に、業績回復が見込まれる企業は賃上げに取り組む姿勢もみえるが、まだ賃上げには慎重な姿勢が目立つことがわかった。

Q5.2014年に月次賃金はどうなると思いますか?

 地区別では、「アップする」は近畿が40.2%(回答社数213社)でトップ。次いで、九州39.3%(同146社)、関東39.1%(同377社)、中国39.0%(同98社)、北陸38.0%(同38社)、東北37.3%(同132社)、中部35.2%(同207社)、北海道32.5%(同73社)、四国30.8%(同49社)の順。大都市ほど「アップする」が高い傾向はあるが、自動車産業が多い中部は慎重な結果となった。

 産業別では、「アップする」は建設投資が期待される建設業が41.9%(回答社数205社)と4割を超えた。「景気は悪くなる」が一番高かった農・林・漁・鉱業は、賃金が「アップする」が21.0%と極端に低かった。ここでもTPP交渉の行方を懸念している可能性がある。

 売上高別(売上高不明を除く)では、500億円以上で「アップする」が53.7%で5割を超えた(回答社数29社)。一方、「変わらない」は1億円未満で66.3%(同183社)に達した。景気回復でも業績改善までタイムラグが生じる中小企業ほど、賃金アップに慎重な姿勢をみせている。

まとめ

 2014年の景気見通しは上昇、回復に期待を寄せる傾向が高い。ただし、産業別、企業規模でみると差があり、中小企業ほど楽観見通しは低く、賃金アップへの取り組み姿勢もまだ弱い。景気拡大局面にあることを認識しつつも、まずは足もとを固めることを優先する経営者が多い。
 消費税率アップなどの重要な転換点を控えるなか、2014年が飛躍の年になるか。中小企業の自律的な業績回復とともに経済政策による舵取りもカギを握っているといえる。

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