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第4回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査(速報値)

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公開日付:2020.05.01

 「新型コロナウイルス」の感染拡大に伴う外出自粛や休業要請が、企業業績を直撃している。
 2020年4月の単月売上は、83.9%の企業が前年同月(2019年4月)を下回った。売上が前年同月を下回ったと回答した企業は、2月67.7%、3月74.9%で、4月は3月から9.0ポイント悪化した。
 東京商工リサーチが国内企業を対象にしたアンケート調査によると、新型コロナの企業活動への影響は「すでに影響が出ている」と回答した企業が77.1%、「今後影響が出る可能性がある」は21.7%で、合計98.8%の企業が何らかの「影響がある」と答えた。
 前回調査(3月27日~4月5日実施、有効回答1万7,896社)は、「すでに影響が出ている」が62.3%、「今後影響が出る可能性がある」が35.1%で、何らかの「影響がある」は合計97.5%だった。「すでに影響が出ている」は、わずか3週間余りで14.7ポイントアップし、ほぼすべての企業で影響を受けていることがわかった。
 4月16日に「緊急事態宣言」の対象地域が全国に拡大。さらに5月6日までの期間も延長が現実味を帯びており、企業活動への影響が一層深刻さを増すことは避けられない。

  • 本調査は2020年4月23日から5月12日の期間にインターネットを通じて行うアンケート調査で、4月28日午前9時までに回答のあった1万2,717社を速報値として集計、分析した。
  • 前回(第3回)の「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査は、4月10日発表。
  • 企業規模は、資本金1億円以上を大企業、1億円未満・個人企業等を中小企業と定義した。

Q1.新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)

大企業の約9割、中小の約8割で「すでに影響あり」
 最多は、「現時点ですでに影響が出ている」で77.1%(1万2,717社中、9,810社)。次いで、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が21.7%(2,766社)で、全体の98.8%が企業活動へ何らかの影響があると答えた。
 規模別では、「現時点ですでに影響が出ている」は、大企業(資本金1億円以上)で86.2%(2,048社中、1,766社)に対し、中小企業(同1億円未満)は75.4%(1万669社中、8,044社)で、大企業が10.8ポイント上回った。
 前回調査との比較では、大企業が11.4ポイント、中小企業が15.4ポイント、それぞれアップした。

新型コロナウイルスが企業活動に与える影響

産業別 小売業への影響が顕著
 産業別で、「すでに影響が出ている」の最高は、小売業で85.0%(676社中、575社)だった。インバウンド需要の消失に加え、外出自粛や休業要請の影響が直撃したことがわかる。宿泊業や旅行業を含むサービス業他では84.3%(2,204社中、1,858社)だった。
 一方、建設業は前回調査で「影響なし」が5.2%だったが、1.7%(1,617社中、28社)へ急減した。ゼネコン各社の工事中止やサプライチェーン、物流の混乱による建築資材の滞りなどが影響したとみられる。

新型コロナウイルスが企業活動に与える影響(産業別)

Q2.今年(2020年)4月の売上は前年同月を「100」とすると、どの程度でしたか?

83.9%が前年割れ、2月以降で最悪
 外出自粛が広がった4月の売上を聞いた。Q1で「すでに影響が出ている」と回答した企業のうち、6,186社から回答を得た。
 「100以上」の増収は、16.0%(994社)にとどまり、83.9%が前年割れだった。
 新型コロナの感染拡大が広がった2月以降、最悪の結果となった。
 「80未満」は、中小企業が48.9%(5,435社中、2,658社)とほぼ半数に近く、大企業は39.1%(751社中、294社)だった。
 中小企業の「60未満」は24.7%(1,345社)。「50未満」(売上半減)は16.0%(874社)で、3月の8.3%から倍増した。
 中央値は全企業、大企業、中小企業とも80だった。

2020年4月単月売上高(前年同月を100とした比較)

Q3.現在の状況が続いた場合、何カ月後の決済(仕入、給与などの支払い)を心配されますか?

中小企業の小売業は半数超が「3カ月以内」の決済に不安
 インバウンド需要の減少や外出自粛、休業要請、サプライチェーンの乱れなどが続いた場合、いつ頃の決済に不安があるかを聞いたところ、4,232社から回答を得た。
 全体では「3カ月以内」は38.6%(1,635社)にのぼる。「1カ月以内」も5.3%(225社)あり、緊急事態宣言が延長されると、急激に資金不足に陥る企業が増える可能性が高い。
 規模別では、大企業は「3カ月以内」が28.0%(275社中、77社)に対し、中小企業は39.3%(3,957社中、1,558社)にのぼる。特に、中小企業の小売業は、53.5%(282社中151社)と半数超が「3カ月以内」と回答し、資金繰りのひっ迫感が突出している。

Q4.現在の状況が続いた場合、5月以降、ひと月でも売上が前年同月比で「50%以下」に落ち込む可能性はありますか?
(2020年12月までを目途にご回答ください)(択一回答)

 中小の約6割が「ある」と回答
 新型コロナ感染拡大の終息が長引いた場合、単月の売上が半減以下となる可能性を聞いた。
 「ある」は53.9%(9,935社中、5,362社)、「ない」は46.0%(4,573社)と二極化した。Q2で4月の売上高が半減した企業は15.4%(6,186社中、956社)で、多くの企業が今後を悲観的に見通していることがうかがえる。
 規模別では、大企業の41.3%(1,385社中、572社)が「ある」と回答したのに対し、中小企業は56.0%(8,550社中、4,790社)で、14.7ポイントの開きがあった。

2020年4月単月売上高(前年同月を100とした比較)


 「新型コロナウイルス」感染拡大による企業業績の悪化が、時間の経過とともに進んでいる。
 4月の売上高は83.9%が前年割れと回答し、中小企業の16.0%は半減した。東京商工リサーチの企業データベースでは、新型コロナ前の企業業績はおおむね、増収「5」:減収「4」:横這い「1」の割合だっただけに、4月の厳しさが鮮明に浮かび上がった。また、今後半減する可能性があると回答した中小企業は6割(56.0%)に迫り、事態は緊迫の度合いを高めている。
 政府の経済対策のうち、「持続化給付金」は新型コロナの影響で売上高が前年同月比50%以上減少した、資本金10億円以上を除く法人・フリーランスを含む個人事業主が利用できる。2020年の12カ月のうち、1カ月でも売上が前年同月比で50%以上減少すると対象になる。これは融資でなく給付金で、金額は法人200万円、個人事業者100万円だが、終息が長引くと給付の対象企業はさらに増加するのは確実だ。
 企業活動への影響は、第1回アンケート(2月7日-16日)で66.4%が「すでに出ている」、または「今後出る可能性がある」と回答した。第2回(3月2日-8日)では94.6%、第3回は97.5%だったが、今回は98.8%まで上昇した。産業別では、これまで比較的影響が緩やかだった建設業で比率が高まった。サプライチェーンや物流の混乱、大手ゼネコンで感染者が出て工事中止に陥ったことなど、複合的な要因が悪化に繋がったとみられる。
 また、休業要請で売上が激減した企業や商店、飲食店などへの家賃に関する問題解決も急務になっている。売上がないままでの、家賃や給料を含む固定費の支払いは、過小資本の企業や商店などには致命傷になりかねない。ただ、安易な家賃猶予は、連鎖的に不動産業者やオーナーの経営根幹を揺るがし、ファイナンスを担う金融機関にも影響が波及する。プロジェクトによっては契約が多額にのぼり、金融システムにも影響が及ぶ可能性もある。
 新型コロナの影響は、消費支出の落ち込みで最初は小売業やサービス業に現れ、現在は製造業や建設業にまで波及している。このように目の前の事象だけでなく、その奥にも幾何級数的に拡大する特性を認識し、対応を考慮することが必要だ。

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