公開日:2011.03.24
「東日本大震災」関連調査 ~「東北6県への進出企業」調査~
東京商工リサーチでは、東北6県以外に本社を置き、東北6県に事業所を置く進出企業数を企業データベース(230万5,646社)から抽出し、まとめた。
産業別 製造業が32.9%
東北6県以外に本社を置き、東北6県に支店、営業所、工場など事業所を進出した企業は1万3,553社だった。産業別の最多は、製造業4,468社(構成比32.9%)。東北地区が自動車、半導体などの工場集積地であることを裏付けている。次いで、卸売業3,028社(同22.3%)、サービス業他2,437社(同17.9%)の順で、この3産業で9,933社(同73.2%)と全体の約7割を占めている。
進出企業の売上高では、自動車関連、半導体関連など大手企業が多い製造業が148兆1,297億円で断トツだった。
業種別社数 産業機器卸がトップ
業種別の進出企業数では、最も多かったのは産業機械器具卸売業が489社。次いで、電機機器卸売業379社、他に分類されない卸売業373社、ソフトウエア業313社と続く。
県別事業所数 トップは宮城県の1万3,917社
進出企業の事業所総数は3万6,055事業所だった。県別では宮城県が1万3,917事業所で断トツ。進出企業の3分の1(構成比38.6%)を占め、東北の経済基盤が仙台市を中心に展開していることがわかる。
次いで、福島県の7,392事業所(構成比20.5%)、岩手県の4,359事業所(12.1%)の順。青森県、山形県、秋田県はいずれも3,000事業所台でほぼ拮抗している。宮城県に進出した1万144事業所の本社地が関東だった。
しかし、関東の進出事業のうち、宮城県は36.8%にとどまり、関東地区は宮城県を中心にまんべんなく東北各地に分散している。一方、近畿は進出した3,379事業所のうち50.4%、九州も371事業所のうち51.2%を宮城県が占め、遠距離ほど東北地区の拠点の宮城県を重視していることがわかった。
進出事業所の本社 関東が73.0%
進出企業1万3,553社のうち、最も多いのは関東で9,901社(構成比73.0%)。約4社に3社を占めている。次いで、近畿の1,563社(同11.5%)、中部の979社(同7.2%)と続く。この3地区だけで9割(同91.8%)を占めている。ただ、遠距離の中国、九州も200社以上が進出しており、東北地区の市場を魅力と感じているようだ。
事業所区分別では4分の1が営業所
事業所のうち、最も多いのは営業所で9,093事業所。支社店に比べ、人員や規模、設備などを比較的抑えた進出がうかがえる。次いで、店舗(8,912事業所)、支社店(8,489事業所)が僅差で続く。5位の工場は2,787事業所で、大型工場の進出も多いだけに雇用創出に寄与していることがうかがえる。この5位までで3万2,461事業所と全体の9割(構成比90.3%)を占めている。
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