「テレビ番組制作会社」の倒産 過去最多タイ コスト上昇と番組制作の予算削減で苦境
~ 2026年 「テレビ番組制作業」倒産動向 ~
2026年1-8月のテレビ番組制作会社の倒産は14件で、同期間では2007年以降の20年間で最多の2010年に並んだ。このペースで推移すると、年間では2009年と2012年の21件を抜き、過去最多を更新する可能性が高まっている。
番組制作会社の倒産は、コロナ禍の2021年1-8月は金融支援に支えられ3件にとどまったが、支援策が終了すると同時に急増している。若者を中心にライフスタイルの変化や、大手動画配信サービス、YouTubeチャンネルなどのコンテンツサービス会社の台頭で、テレビ離れが加速。さらに、テレビ局の予算削減やコスト高騰の煽りで事業環境は年々厳しさを増しており、番組制作会社の倒産は今後も高水準が続くことが危惧される。
「2025年 日本の広告費」(出典:電通)によると、2025年の総広告費は8兆623億円(前年比5.0%増)と4年連続で過去最高を更新した。だが、テレビメディア(地上波テレビ+衛星メディア関連)の広告費は1兆7,556億円(同1.6%減)で、2015年の1兆9,323億円から1,767億円減少した。
媒体別広告費の構成比は、インターネット広告が50.2%と10年で2.6倍に伸ばし、初めて過半数に達した。一方、テレビメディアは前年から1.1ポイント減少し21.8%にとどまり、独立系を中心に番組制作会社の経営を直撃している。
物価高や人件費の高騰が続くなか、主なクライアントのテレビ局の予算は横ばい、もしくは削減傾向のため、コスト上昇分の価格転嫁が難しい現実に直面。このため、番組制作会社の倒産は、価格交渉力の弱い従業員10人未満の零細企業に集中している。番組制作会社は生き残りをかけ、テレビと協業を深めるか、ネット配信プラットフォームへの進出や受託制作からの脱却、あるいは企業のPR動画など他業界への領域拡大など多様な戦略転換のはざまで次の一手を模索している。
※ 本調査は、日本標準産業分類の「テレビジョン番組制作業」(テレビ番組制作会社、負債1,000万円以上、2025年1-8月)の倒産を集計、分析した。

原因別:「販売不振」が12件(構成比85.7%)で最多。次いで、「事業上の失敗」とその他の「偶発的原因」が各1件発生した。
形態別:14件すべて清算型の「破産」だった。
負債額別:最多は「1千万円以上5千万円未満」が10件で、7割(同71.4%)を占めた。次いで、「5千万円以上1億円未満」が3件、「1億円以上5億円未満」が1件。5億円以上はなく、負債1億円未満が9割(同92.8%)を占めるなど、小・零細規模が圧倒的に多い。
従業員数別:「5人未満」が12件で最も多く、8割(同85.7%)を超えた。次いで、「5人以上10人未満」が2件で、小・零細規模の倒産が目立った。
都道府県別:最多が東京都の10件。埼玉県・大阪府・福岡県・宮崎県がそれぞれ1件だった。