2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%
~ 全国304社「書店」業績動向調査 ~
「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。
紀伊國屋書店や丸善ジュンク堂書店など、大手企業の堅調な業績が市場を牽引した。ただ、前年度よりも売上高が伸びたのは145社(構成比47.6%)と半数に届かず、増収増益は41社(同13.4%)にとどまっており、業績の二極化が一段と加速している。
書店を運営する主要304社の業績は、戦略の違いで格差が拡大している。2025年度の売上高100億円以上は16社(構成比5.2%、前年度同数)にとどまるが、売上高合計は4,607億4,600万円(前年度比3.7%増)と全体の75.2%を占めた。大手企業は、書籍・専門データベースを納入する法人外商を柱に成長し、カフェやホビー、トレカ、雑貨など非書籍の複合展開や図書館流通・運営の受託、海外展開などで売上高が拡大した。
損益別は、黒字が226社(前年度228社)と全体の74.3%を占めた。ただ、増収増益は41社(構成比13.4%)と前年度の72社(同23.6%)から31社減少した。
2025年の「書店」の休廃業・解散、倒産は71社(前年85社)で、2013年から12年連続で新設法人数を上回り、書店減少は続いている。一般社団法人日本出版インフラセンター調べによると、書店の店舗数は9,993店(2026年3月末時点)で、ピークの1998年の2万4,237店の4割に減少した。
電子書籍やスマートフォンの普及で、本を手に取る機会が減り、厳しい逆風に晒されているが、単に本を売るだけでなく、様々な付加価値で新たな市場開拓を求められる時代に突入している。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、日本産業分類(細分類)の「書店・雑誌小売業(古本を除く)」を対象に、2025年度の業績(2025年4月期~2026年3月期決算)を最新期とし、5期連続で売上高が判明した304社を抽出、分析した。
売上高は微増も利益は大幅改善
書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、最終利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で利益の改善が際立った。
書店の売上高は、電子書籍の普及や活字離れで減収をたどったが、「店頭の本売り」から脱却した大手が牽引する形で、2025年度は回復に転じた。
ただ、2025年度の最終利益は過去5年で最高を記録したが、利益率は0.6%(前年度0.1%)と他業種と比べ極めて低水準にとどまっている。

対前年度収益別 「減収減益」が最多
前年度との収益の比較では、最多が減収減益の87社(構成比28.6%)で、前年度の55社(同18.0%)から32社増加した。次いで、横ばい横ばいの75社(同24.6%)、減収増益の61社(同20.0%)と続く。増収増益は41社(同13.4%)で、前年度の72社から大幅に減少した。

「書店」の休廃業・解散、倒産 新設法人の設立数を12年連続で上回る
「書店」の休廃業・解散、倒産は、2025年は合計71社で、2013年以降12年連続で新設法人数を上回り、業界の縮小が顕著となっている。
2025年の書店倒産件数は7件(前年比30.0%減)で、2022年の5件以来、3年ぶりに10件を下回った。市場から退出した企業が一巡し、一時的に倒産件数が減少した可能性がある。
