三井住友銀行の「メインバンク取引社数」増加 ~ メガバンクで唯一増加、新設・中小企業向け脚光 ~
東京商工リサーチ(TSR)がまとめた「2026年メインバンク調査」で、三井住友銀行がメガバンクで唯一、社数が増加した。他に先駆けてデジタル総合金融サービスをリリースし、取引社数の増加につなげた。
三井住友銀行をメインバンクとする企業は10万2,557社で、前年から860社増えた、廃業やメイン替えなど3,450社がメインから外れ、新規が4,310社だった。
新たにメインバンクとなった4,310社のうち、業歴5年未満は1,349社(構成比31.3%)で3割を占めた。支店別のトップはデジタル支店「トランクNORTH」の151社だった。

三井住友銀行は、中小企業、新設企業向けデジタル総合金融サービス「Trunk(トランク)」を2025年5月に開始した。初期契約料・月額利用料を無料とし、振込手数料も抑えた。請求書支払いに対応するほか、税金納付も自動化できる。三井住友銀行によると、「新規口座開設数の半数が新設法人(2026年6月時点)で、ことし7月に9万口座を突破した」という。新設法人が口座開設する際の審査は「メガバンクがより厳しい」と言われてきた。だが、新たなネット口座の登場で、変化しているようだ。
一方、2025年から2026年の1年間で3,450社がメインバンクから外れた。理由は、「休廃業・解散」が1,062社(構成比30.7%)、「銀行変更」が1,052社(同30.4%)、合併や存在不明など「その他」(同30.3%)、「倒産」が289社(同8.3%)だった。
1年間でメインバンクになった企業(4,310社)の業種は、サービス業他が1,444社(構成比33.5%)で最も多く、建設業571社(同13.2%)、情報通信業505社(11.7%)と続く。本社地は、東京都が1,913社(同44.3%)、大阪府934社(同21.6%)、兵庫県497社(同11.5%)と都市部が上位に並ぶ。
支店別では、トップが「トランクNORTH」の151社、次いで「渋谷駅前」の71社だった。「本店営業部」は70社で、「トランクNORTH支店」が大型店を上回る。
業歴別では、最多は10年以上が2,028社(同47.0%)だったが、5年未満も1,349社(同31.3%)と3割を占めた。5年未満の企業の業種は、「受託開発ソフトウェア業」114社、「経営コンサルタント業」98社など、小資本での開業が可能な業種が目立つ。
新設企業のメインバンクは、これまで信組、信金、地銀が主な受け皿だったが、コストや利便性からネットサービスが伸びている。他のメガバンクも追随する動きをみせており、競争が激化しそうだ。

三井住友銀行ビル
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年9月9日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)