民事再生の日本トイザらス、譲渡登記のワケ
今回は10月1日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した日本トイザらス(株)(TSRコード:350937800、川崎市)を取り上げる。1991年に国内1号店をオープンすると、瞬く間に玩具・ベビー用品の販売大手に君臨した企業のTSR REPORT(調査報告書)には何が書かれていたのか――。
今夏に作成された報告書をみると、まず目を引くのが、「米国トイザラス社(トイザラス・インク)の破産法申請による影響」との特記だ。「2017年9月18日(現地時間)に米国トイザラス社(トイザラス・インク)がチャプター11(民事再生法に相当)の適用を申請。(中略)ただし、日本トイザらスはトイザラス・インクと仕入・販売など商取引はなく、資金調達および貸付金もない」と、米国の法的手続きの影響は限定的との見方を示している。
一方で、企業診断(評点)は「46点」で推移し、小・零細規模がひしめく同業種平均の域に沈んでいる。業績も減収・大幅赤字が常態化し、一見しても良くて収益力改善フェーズ、事業再生フェーズも念頭にすべき状況と見受けられる。
また、「債権等権利関係」欄には、ことし7月30日を登記日付として三菱UFJ銀行が譲渡登記を設定したことが示されている。「営業収支状況」欄には、「近年の回収は即金比率が30%と減少。これに代わり、クレジット会社や電子決済サービス会社経由、代行回収システムなどが伸長」と記載されている。広大な売り場面積を誇り、商品在庫が豊富なことや、日々の営業に伴う売上債権を考えると、緊急避難的な融資に余地を残していることを想像させる。
民事再生を申請した10月1日、「ドン・キホーテ」などを運営する(株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(TSRコード:330232398、渋谷区)がスポンサーとなる旨を開示した。一般論だが、再生局面では、法的手続きまでの資金繰りは(プレ)DIPファイナンスによって支えられる。日本トイザらスの代理人は法的申請について、「三菱UFJ銀行よりDIPファイナンスを受け、(民事再生後も)平常通り営業を継続する」とコメントした。
2017年の米国での債務整理から問い合わせが絶えなかった日本トイザらス。チャプター11の影響ではなく、国内での本業不振に端を発したアラートをTSR REPORTは発していた。
