上場企業の「平均年収」30万円増の778万7,744円 1位はヒューリックの2,295万円、不動産・商社など堅調
~ 2025年度決算「上場企業平均給与」調査 ~
上場企業3,123社(事業会社のみ)の2025年度の平均年収は、2021年度から5年連続で前年度を上回り、778万7,744円(前年度比4.0%増)だった。前年度を30万216円上回った。
平均年収1,000万円以上は139社(前年度107社)で、前年度より32社増加した。一方で、700万円未満の企業数は減少し、上場企業の年収底上げが鮮明になった。
平均年収トップは、不動産開発のヒューリックの2,295万4,000円。前年度から12.7%上昇し、2年連続で2,000万円を超えた。前年トップのインテグラルは2,135万6,000円で、4位に後退した。
上位30位は、都市部の地価上昇、企業のオフィス回帰で好調な不動産、エネルギー価格上昇や円安が寄与した総合商社が各6社、医薬品4社、堅調な荷動きと海上運賃が上昇した海運3社など、業界大手が並ぶ。
上場3,123社の平均年収は、778万7,744円(前年度比4.0%増)だった。民間給与実態統計調査(国税庁、令和6年分)による正規社員の平均給与は544万9,000円で、上場企業が233万8,744円上回り、5年連続で差が拡大した。
平均年収の伸び率トップは、不動産開発のグローバル・リンク・マネジメントの前年度比48.3%増(890万8,000円→1,321万8,000円)。報酬制度の構築や新卒初任給の月額35万円への引き上げ、人材への投資強化などで大幅に増えた。
なお、本集計の対象外だが、持株会社634社の最高は光通信の3,517万5,000円で、1,000万円以上は前年度より11社増えて104社(前年度93社)となった。
※本調査は、2025年度決算(2025年4月期-2026年3月期)の全証券取引所の上場企業を対象に、8月14日までにTSRが確認した有価証券報告書の平均年間給与、従業員数を抽出し、平均年間給与は各社の給与総額を総従業員数で除した加重平均で算出した。中央値は企業ベースとした。変則決算企業、持株会社は除いた。業種分類は証券コード協議会の定めに準じた。


平均年収 4社に3社が増加
3,123社のうち、平均年収が前年度より増加は2,401社(前年度2,296社)で、全体の約8割(76.8%)を占めた。減少は659社(構成比21.0%、前年度682社)、横ばいは63社(同2.0%、同90社)。平均給与の「増加」企業の構成比は、2年連続で前年度を上回った。

市場別 トップの東証プライムは初の800万円台
市場別の最高は、東証プライムの815万6,000円(前年度783万4,000円)で、調査開始以来、初めて800万円を突破した。次いで、名証プレミアが745万4,000円(同721万9,000円)、名証メインが662万8,000円(同633万6,000円)の順。
最低は札証の新興企業向け市場のアンビシャスで449万4,000円(同442万6,000円)。トップの東証プライムとは366万2,000円(同340万8,000円)の差があり、格差は3年連続で拡大した。
上昇率の最高は、名証メインの前年度比4.6%増(29万2,000円増)で、2022年の市場開始以来、3年連続で上昇した。

産業別 建設業が4年ぶりトップ
産業別の最高は、建設業の953万5,000円(前年度894万4,000円)で、2021年度以来、4年ぶりにトップに返り咲いた。前年度トップの卸売業は947万1,000円(同908万6,000円)で2位だった。
一方、最低は小売業の550万8,000円(同535万2,000円)、次いでサービス業の589万3,000円(同573万7,000円)で、いずれも600万円を下回ったが、5年連続で上昇した。
平均年収トップの建設業と、最低の小売業の差は402万7,000円で、前年度トップだった卸売業(前年度908万6,000円)と最低の小売業(同535万2,000円)の差(373万4,000円)より29万3,000円拡大し、1.7倍の格差が生じた。
平均年収の伸び率トップは、不動産業の9.9%増(788万8,000円→867万円)で78万2,000円増加した。都市部の地価やマンション価格の高騰に加え、物価高や世界水準への報酬引き上げなどが追い風になったようだ。
一方、33業種分類中、唯一減少したのは保険業で、0.1%減(643万5,000円→642万5,000円)だった。2026年6月に施行された改正保険業法への対応や変化する事業環境への対応が影響したようだ。

平均給与1,000万円以上は139社
平均給与のトップは、不動産開発などのヒューリックで、2,295万4,000円(前年度2,035万7,000円)。2年連続で2,000万円台を維持した。
2位はM&Aキャピタルパートナーズ2,265万8,000円(同2,277万6,000円)、3位はキーエンス2,178万3,000円(同2,039万1,000円)、4位は前年度1位のインテグラル2,135万6,000円(同2,577万7,000円)、5位は三菱商事2,112万5,000円(同2,033万3,000円)で、上位7社が2,000万円を超えた。
平均年収の増加率トップは、不動産開発のグローバル・リンク・マネジメントで前年度比48.3%増だった。
平均年収1,000万円以上は139社(前年度107社)で、前年度より32社増加した。また、900万円以上1,000万円未満148社(同103社)、800万円以上900万円未満276社(同271社)、700万円以上800万円未満565社(同533社)でそれぞれ増加した。一方、700万円未満のレンジは減少し、上場企業の平均年収の底上げが鮮明になった。


