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「ホームセンター」 4期連続増収も成長は鈍化 人件費上昇、物価高で収益力の強化が課題

~2025年度 「ホームセンター」業績動向調査 ~


 コロナ禍の「巣ごもり特需」が終わり、ホームセンターの業績が伸び悩んでいる。5期連続で業績比較が可能な全国の主なホームセンター56社の業績調査から、ホームセンターの置かれた環境がみえてきた。
 56社の2025年度業績は、売上高合計が3兆1,118億円(前期比1.4%増)で、4期連続で微増にとどまった。一方、最終利益は786億円(同4.2%減)と4期連続の減益に終わった。最終利益は2021年度の1,237億円から36.4%落ち込み、マーケットが拡大してもコスト増と価格転嫁が足かせになっているようだ。

 ホームセンターの再編が加速している。2022年3月、カインズ(TSRコード:270367896、埼玉)がハンズ(旧:東急ハンズ)(TSRコード:291331637、東京)を完全子会社化した。また、2024年1月にはDCM(TSRコード:134116232、東京)がケーヨー(TSRコード:320004155、千葉)、2025年9月エンチョー(TSRコード:440018714、静岡)をそれぞれ完全子会社化した。
 コーナン商事(TSRコード:630069956、大阪)も2025年10月、ホームセンターみつわ(TSRコード:600069176、福井)を子会社化し、アークランズ(TSRコード:200011456、新潟)とジョイフル本田(TSRコード:280083432、茨城)は経営統合を予定している。
 こうした大手がM&Aや経営統合を急ぐ背景には、停滞する市場でのスケールメリットの狙いがある。コーナン商事は2026年2月期連結決算説明会資料で、「売上高は増加したものの、粗利益率の低下分及び販管費の増加額が上回り、減益」と記載している。販管費の増加は、人件費や賃料の増加などを挙げている。アークランズも2026年2月期通期連結の決算説明資料で、経常利益の減益について人件費単価を含む「販管費増加」を記載している。一方、DCMは「円安、原材料高、物流費高騰が続く中、プライベートブランド販売強化により売上総利益率改善」としており、各企業の収益改善に向けたコスト対策が明暗を分けている。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、2025年の業績(2025年3月期~2026年2月期)を最新期とし、5期連続で業績が判明した56社を抽出、分析した。


ホームセンター 売上高は4期連続で拡大も微増

 全国の主なホームセンター56社の2025年度の売上高合計は3兆1,118億円(前期比1.4%増)で、4期連続で拡大した。2021年度との比較では1,020億円増(3.3%増)と微増だが伸びている。
 ただ、利益合計は786億円(前期比4.2%減)と減少が止まらず、4期連続で減益となった。2021年度との比較でも451億円減(36.4%減)と大幅な減益となった。
 価格上昇の流れで名目上の売上高は伸びたが、消費者の買い控えもあって価格上昇分の転嫁が難しいほか、人件費や物流費などのコスト増が足かせになり利益確保が課題に浮上している。

ホームセンターの業績推移


ームセンター、100億円以上が半数

 ホームセンターの売上高分布は、売上高100億円以上が28社(構成比50.0%)と半数を占めた。次いで、同1億円以上~5億円未満が9社(同16.0%)、同10億円以上~50億円未満が8社(同14.2%)と続く。 
 売上高伸長率は、最多が0~5%未満と▲5~0%未満が各23社(同41.0%)と、微増微減が8割を超えた。次いで、▲10~▲5%未満が6社(同10.7%)と減収企業も目立つ。

ホームセンター 売上高別

赤字が約2割

 損益別では、黒字が45社(構成比80.3%)、赤字は11社(同19.6%)だった。
 1期前との比較では、黒字、赤字とも同数だった。2期前には黒字が47社(同83.9%)、赤字が9社(同16.0%)で、黒字が減少している。

減収減益が最多

 前年度との収益比較では、「減収減益」が18社(構成比32.1%、前期比28.0%減少)で最も多かった。
 一方、「増収増益」は14社(同25.0%、同27.2%増)、「減収増益」は10社(同17.8%、同42.8%増)、「増収減益」は9社(同16.0%、同10.0%減)だった。
 前期と比較して「減収減益」の企業数は減少したが、依然として規模の二極化と収益の二極化が同時進行している。

ホームセンター 対前期収益別



 ホームセンターは、止まらないコスト上昇を背景に、プライベートブランド増強などで競争力と収益力の強化に乗り出している。また、大手を中心に、M&A(企業買収や合併)、経営統合などで生き残りをかけた規模拡大と効率化に取り組んでいる。
 経営統合は、物流や店舗開発・運営ノウハウの共有効果が見込まれ、効率的な経営が期待される。一般社団法人日本DIY・ホームセンター協会の担当者は「原材料や人件費、輸送コストが上昇するなかで、小売業は影響を受けやすい。値上げは簡単だが、ホームセンターは生活インフラの重要な機能を持つため、各社はプライベートブランドの取り扱い品目を増やすことや共同仕入れを行い経費削減などで対応している」と業界の動きを解説する。また、業界の今後の動向として「共同仕入れ」をあげ、各社は利益確保の取り組みを強めている。業界自体は4期連続で増収減益の厳しい状況にあり、収益力の強化が生き残りのカギになっている。 

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