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2025年の「合同会社」設立、4万4,991社 前年比6.8%増で、新設法人の約3割占める

~ 2025年「合同会社」の新設法人調査 ~


 2025年に全国で新たに設立された法人(以下、新設法人)は、15万7,011社(前年比1.9%増)だった。このうち、合同会社は4万4,991社(同6.8%増、2,884社増)で、全体の約3割(28.6%)を占めた。
 法人格別では、「株式会社」が10万558社で最多だったが、新設法人数は2年連続で前年を下回った。「株式会社」の勢いに陰りがみえる一方で、「合同会社」は増勢をたどり、新設法人数の伸びを牽引している。
 設立コストが安く、株主総会も不要で、社員(出資者)と経営が一致するなど、迅速で安定した経営判断が可能なメリットを享受できるため、「合同会社」で起業するスタートアップ経営者が増えているようだ。

 法人格としての「合同会社」は会社法施行に伴い、有限会社の新設ができなくなった2006年5月に導入された。スタートから約20年を経て、合同会社の認知度も広がっている。
 2012年に新設法人数が1万社を超えたが、当時はまだ知名度も低く、「株式会社」に水をあけられていた。だが、設立費用や手続きなどの簡便さが認知され、設立後の機関決定の迅速さや所有と経営が同一による安定度などが評価されるにつれて増加をたどり、2025年は新設法人の約3割を占めた。
 新設法人数の増加を牽引する合同会社だが、自由度の高い経営の裏返しで、投資運用などで悪用されるケースもある。金融庁は、突然連絡難となることや出資者(社員)が退社を引き延ばされることもあり、合同会社の社員権の取得勧誘への注意を喚起している。このため、まだ信頼性ではいま一歩の域を抜け出せない面もある。
 ただ、 2024年10月、商業登記の代表者住所の一部非公開がスタートした。これはプライバシー保護などを目的とするが、対象は株式会社のみで合同会社は活用できない。そのため、プライバシーを守りたい経営者は、株式会社を選ぶ動きは根強いものがある。また、決算公告の義務がないことは事務コスト面でメリットだが、同時に取引面で評価が低くなるデメリットは避けられない。
 新設法人数がこれまで通り増加をたどるかどうか、今後の合同会社の信頼上昇が鍵になりそうだ。

※ 本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象約440万社)から、2025年(1-12月)に全国で新しく設立された全法人15万7,011社のうち、合同会社を抽出し、分析した。


「合同会社」の新設法人数 安定増勢をたどる

 「合同会社」の新設法人数は、2012年は1万711社にすぎなかった。だが、2013年、2014年はいずれも前年から3割増えるなど増勢をたどり、2015年は2万社、2019年は3万社に到達した。
 コロナ禍の2022年は3万7,062社(前年比0.3%増)と増加率が鈍化し、頭打ちの気配もうかがえた。だが、2023年10月に始まったインボイス制度への対応で、個人事業から法人変更への受け皿的な存在としてメリットが好感され、2023年は4万655社(同9.6%増)と再び増勢に転じ、2025年も4万4,991社(同6.8%増)と順調な伸びをみせている。

合同会社 新設法人 年間推移

産業別 9産業で増加

 合同会社の産業別は、10産業のうち、建設業を除く9産業で前年を上回った。増加率順では、卸売業が29.4%増でトップ。次いで、運輸業14.2%増、金融・保険業13.1%増、サービス業他8.6%増で続く。
 社数順は、最多はサービス業他の2万1,090社。次いで、不動産業4,919社、情報通信業4,851社、小売業4,451社、卸売業2,306社、建設業2,053社、製造業の2,027社、金融・保険業1,817社、運輸業768社、農・林・漁・鉱業709社の順だった。サービス業他が全体の半数近く(46.8%)と突出している。

産業別 合同会社 新設法人

業種別 学術研究,専門・技術サービス業が最多

 産業別をさらに細分化した業種別では、最多は経営コンサルタントなど学術研究,専門・技術サービス業の7,029社(構成比15.6%、前年比6.6%増)だった。個人の経験や実績を生かし、独立する際、手軽な合同会社を選ぶ起業家が多いようだ。
 次いで、不動産業の4,919社(同10.9%、同2.6%増)。地価上昇に伴う投資意欲が高まるなか、投資案件ごとに法人を設立するケースもあり、合同会社のメリットがニーズと合致したようだ。

都道府県別 増加率トップは宮城県、減少率は富山県が最大

 都道府県別で合同会社の新設法人数の最多は、東京都の1万4,527社(構成比32.2%)で、大阪府4,114社(同9.1%)、神奈川県3,269社(同7.2%)と、都市部に集中している。
 前年と比べた増加率は、宮城県の24.4%増(494社)がトップ。岐阜県の20.6%増(484社)、岩手県の19.6%増(189社)、鳥取県の18.1%増(117社)、大阪府の17.5%増(4,114社)の順。   
 一方、減少率は、富山県の17.0%減(180社)が最大だった。

起業者の平均年齢 2025年は47.7才

 起業者(代表社員)の設立時の年齢(判明分)を設立年別で分析した。
 2017年は47.7才と上昇したが、2018年以降は46才代で推移し、2022年には45.9才まで低下した。その後、再び起業者の設立時の年齢が上昇し、2025年には過去10年で最も高い47.77才だった。
 年代分布で分析すると、20代の推移に大きな変化が出ている。20代は2017年の構成比4.8%を底に、2023年には9.0%まで高まった。それだけ若い世代が合同会社を選択して起業するケースが増えていたようだ。
 だが、2025年は5.0%と急減。30代(20.0%→23.4%)、40代(28.6%→29.6%)と30代から40代の起業が増えたことで、平均年齢を押し上げたようだ。

設立年別起業者平均年齢推移(合同会社)

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