• TSRデータインサイト

2026年1-5月の「税金滞納」倒産97件 10年間で最多、労働集約型で増勢強める

~ 2026年1-5月の「税金滞納」倒産動向 ~


 2026年1-5月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、97件(前年同期比27.6%増)に達した。2017年以降、同期間では最多だった2024年同期の82件を超え、最多を更新した。
 一方、1-5月の負債総額は、124億5,100万円(同57.3%減)と前年同期から半減した。これは最大の倒産が負債11億6,000円にとどまるほか、同1億円以上が33件(同10.8%減)と落ち着いたため。税金(公租公課)の滞納倒産は、業績不振から抜け出せない小・零細企業の厳しさを示している。
 なお、5月の倒産は、26件(前年同月比100.0%増)で、2カ月連続で前年同月を上回った。
 物価高や人件費の上昇が企業収益を圧迫し、過剰債務を抱え新たな資金調達が難しい企業では運転資金を確保が優先され、納税が後回しとなっている。そうしたなか、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で原油や石油派生製品などの値上げ・供給問題も発生していて、先行きの不透明感が増している。

 2026年1-5月の「税金滞納」倒産は、資本金1千万円未満が57件と約6割(構成比58.7%)を占めた。特に、サービス業他34件(前年同期比6.2%増)、建設業20件(同66.6%増)、卸売業12件(同200.0%増)と、この3産業で約7割(構成比68.0%)を占めた。いずれも労働集約型で、人手不足、人件費上昇が収益確保が難しい小・零細企業の経営に重しになっている。
 滞納による取引先への取引照会は、依然として多い。物価高のなかで、収益確保に向けた事業の見直しや、納付への道筋を立てた支援が欠かせない。
※本調査は、2026年1-5月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)の「コンプライアンス違反」倒産のうち、「税金滞納」関連を集計・分析した。

「税金滞納」倒産

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の秀和グループ、9億円の債務超過

6月17日に東京地裁から破産開始決定を受けた(株)秀和グループ(TSRコード:027747050、江東区)の財務内容が一部判明した。

2

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

3

  • TSRデータインサイト

倒産データからみる「倒産が多い住所」 ~ 一等地のイメージと与信リスク ~

「倒産が多発する住所」は、現代のビジネスモデルの結果だ。ネット全盛期のいま、企業の実体が見えにくいのは普通なのかも知れない。だが、そんな風潮のなか、登記上住所の一等地に惑わされず経営実体をいかに見極めるか。ここでもまた、外形に惑わされない“目利き力”が問われている

4

  • TSRデータインサイト

【2026年3月期決算】役員報酬額1億円以上の開示 過去最多の934人に 社数も387社で最多を更新 上位5人中、外国人4人

2026年3月期決算の上場企業2,198社のうち6月26日12時までに有価証券報告書の提出を確認できたのは9割(90.7%)の1,995社だった。例年と異なり株主総会前に有価証券報告書を提出する上場企業が増えた。報酬額1億円以上の役員を開示した企業は387社、人数は934人で前年の364社・887人を上回った

5

  • TSRデータインサイト

環境経営総合研究所の「粉飾の手口」

(株)環境経営総合研究所(TSRコード: 294046615、渋谷区、以下ERI)が3月26日、東京地裁から破産開始決定を受けた。東京商工リサーチ(TSR)が独自入手した資料や関係者が「実際の売上は100分の1程度」と語る粉飾の実態がみえてきた。

TOPへ