• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2026年5月の「物価高」倒産 6カ月連続増の64件 労働集約型で増加、『中東関連』倒産は1件発生

~ 2026年5月の 「物価高」倒産動向 ~


 為替介入の効果が薄れ、再び円安基調が強まるなか、2026年5月の「物価高」倒産は64件(前年同月比42.2%増)と1.4倍に増加した。2025年12月から6カ月連続で前年同月を上回った。
 特に、長引く中東情勢で、ナフサ不足などに起因する価格上昇が原因の倒産が1件発生するなど、原材料や資材、エネルギー価格上昇の影響が影を落としている。
 負債総額は、184億6,300万円(同131.7%増)で2.3倍に急増した。負債10億円以上が6件(前年同月1件)発生したほか、同1億円以上5億円未満も28件(同18件)と増加し、負債を押し上げた。
 仕入コストの増加で資金需要が活発になっており、負債を押し上げる構図になっている。
 円安だけでなく、中東情勢の不透明感が続き、さらなる物価上昇が見込まれている。このため、安定収益を確保ができない企業が、市場から撤退を余儀なくされる可能性が高まっている。

 2026年5月の「物価高」倒産の産業別は、建設業(前年同月比77.7%増)とサービス業他(同60.0%増)が各16件で、労働集約型で目立った。人件費に加え、資材や食材、エネルギーなどの価格上昇が資金繰りを圧迫している。円安が続くなか、これまで以上に中小企業の価格転嫁を促す環境整備が急がれる。
※本調査は、2026年5月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(法的・私的)した企業を集計、分析した。

「物価高」倒産月次推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

三井住友銀行の「メインバンク取引社数」増加 ~ メガバンクで唯一増加、新設・中小企業向け脚光 ~

東京商工リサーチ(TSR)がまとめた「2026年メインバンク調査」で、三井住友銀行がメガバンクで唯一、社数が増加した。他に先駆けてデジタル総合金融サービスをリリースし、取引社数の増加につなげた。

2

  • TSRデータインサイト

「テレビ番組制作会社」の倒産 過去最多タイ コスト上昇と番組制作の予算削減で苦境

2026年1-8月のテレビ番組制作会社の倒産は14件で、同期間では最多の2010年に並んだ。このペースで推移すると、年間では2009年と2012年の21件を抜き、過去最多を更新する可能性が高まっている。

3

  • TSRデータインサイト

「一人で悩まず、まずは早めの相談を」 ~ 中小企業活性化全国本部 インタビュー ~

中小企業の伴走者として、中小企業活性化協議会の存在感が高まっている。 東京商工リサーチは、全国47都道府県の活性協を支援する中小企業活性化全国本部にインタビュー。再生支援の現場経験も豊富な松田正義氏、佐藤友泰氏、茂木俊裕氏の3名から話を聞いた

4

  • TSRデータインサイト

2026年1-8月の「税金滞納」倒産181件、前年超える 税金滞納が事業再建の障壁、破産が97.7%を占める

2026年8月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、26件(前年同月比73.3%増)と大幅に増加、4月から5カ月連続で前年同月を上回った。1-8月累計は181件(前年同期比58.7%増)に達し、8月で前年の年間160件を上回り、納税(納付)に苦慮する企業が多いことを示している。

5

  • TSRデータインサイト

倒産前の「事業譲渡」 コロナ後に高水準 2025年度は213件、旅館,ホテルが最多

主力事業を他社に譲渡した後、倒産手続きに入る「事業譲渡後の倒産」が、2025年度は213件発生した。2024年度は227件で、2年間の平均は220件となり、前回調査(2019年度-2023年度)の同189件を上回り、増勢が続いていることがわかった。

TOPへ