• TSRデータインサイト

5月の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産 28件 2カ月連続20件台で推移、累計2,363件

~ 2026年5月「ゼロゼロ融資」利用後の倒産動向 ~


 2026年5月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、28件(前年同月比24.3%減)だった。1-5月累計は137件(前年同期比20.8%減)で、2年連続で減少している。
 コロナ借換保証の返済開始が最後のピークを迎えている。ただ、物価高や人手不足がより深刻さを増すなか、さらにアメリカとイスラエルによるイラン攻撃に端を発した原油価格の高騰、ナフサ由来品を含む石油製品などの品薄、目詰まりで、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増している。
 このため、過剰債務を抱えた中小企業が、業績回復の遅れや物価高で利益償還できず、事業継続をあきらめるケースが増加する可能性が高まっている。
 なお、ゼロゼロ融資を利用後の倒産は、2020年7月からの累計が2,363件に達した。

 「ゼロゼロ融資」は、コロナ禍の資金繰り緩和に大きな効果を表したが、過剰債務の副作用を生んだ。また、円安に伴う輸入価格の上昇、人材確保のための人件費上昇が企業の資金繰りをひっ迫させている。
 金融庁などが公表した2025年4月から2026年3月までの貸付条件変更の申込実績は82万3,662件に達する。このうち、2026年1月から3月の3カ月間で19万9,049件と約4分の1を占めている。
 ただ、代位弁済の件数は1万1,864件にとどまり、沈静化の様相をみせている。
 経営者に事業継続の意思がある場合、代位弁済でなくリスケ対応でしのぐケースも聞かれる。円安に加え、中東情勢によるナフサ不足などは幅広い産業に深刻な影響が広がり、企業独自の対応だけでは限界も見え始めており、今後の展開には注意が必要だ。
※ 本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を受けていた企業の倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハウスメーカーの倒産、26年上半期9割増の衝撃 ~ 踏み切れない抜本再生、施主の権利保護も重要 ~

コスト高や人手不足などでハウスメーカー(木造建築工事業)の倒産が急増している。2026年上半期(1-6月)は118件発生し、前年同期から約9割増えた。

2

  • TSRデータインサイト

倒産と無縁の税理士業界に異変、2026年上半期は4件発生 粉飾は詐欺罪も、コンプラ違反と健康問題がリスクに

過去、税理士事務所の倒産は半年で、概ね1~2件にとどまっていた。景気状況に相関せず、倒産と無縁の税理士業界だったが、2026年上半期(1-6月)はすでに4件発生した。

3

  • TSRデータインサイト

エブリライブの元従業員、「突然の解雇」に困惑

6月初旬から連絡が取りにくくなっているライブ配信のエブリライブ(株)(東京都港区)が、同時期に大半の従業員を解雇していたことがわかった。  解雇を通知の際、エブリライブ側は従業員に「破産予定のため」と説明したという。解雇された元従業員が東京商工リサーチの取材に応じた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年上半期「医療機関」倒産 増勢続く 上半期で2番目の38件、「後継者難」は最多

医療機関の倒産が止まらない。2026年上半期(1-6月)に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は、38件(前年同期比15.1%増)と大幅に増加した。上半期では、2006年以降の20年間で、2024年と2025年の33件を上回り、2009年の39件に次ぐ2番目の高水準となった。

5

  • TSRデータインサイト

愛媛県のいよぎんHDと愛媛銀が経営統合へ  メインバンク取引社数 金融Gでは国内21位に

愛媛県内にある企業のメインバンクシェア57.5%(県内メインバンク取引社数1万966社)の伊予銀行を傘下に持ついよぎんホールディングスと、県内2位で18.5%(同3,542社)の愛媛銀行が、7月24日開催の取締役会で経営統合を付議することを発表した。

TOPへ