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トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

トーシンホールディングスのTSR REPORT(信用調査報告書)

トーシンホールディングスのTSR REPORT(信用調査報告書)

 5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。2000年10月に株式を公開し、傘下の事業会社を通じて携帯ショップやゴルフ場を運営。2025年4月期の連結売上高174億円を誇る企業のTSR REPORT(信用調査報告書)には何が書かれていたのか――。

 2026年3月作成の信用調査報告書の「所見」欄には、「不適切会計の調査等により開示が遅れ、2025年4月期連結決算は、2025年10月末に公表」との記載があり、ガバナンスに課題を抱えていることを示している。トーシンHDの開示(2025年5月9日)によると、子会社で携帯ショップの運営などを手掛ける(株)トーシンモバイル(TSRコード: 027433102)で、「財務報告用資料と実際の代理店精算用資料の2種類が存在しており、財務報告用資料において代理店向けの端末販売等の売上高が過大計上となっていた」(開示資料)という。

 信用調査報告書の「出資先」欄には、トーシンモバイルへの出資比率は100%と記載され、ガバナンスはトーシンHDに大きく依拠していることを伺わせる。このため、トーシンHDの内部管理体制にも留意が必要な状況だ。

 ただ、2025年4月期決算では、連結・単体ともに資産超過(連結自己資本比率9.7%、単体4.4%)を維持している。財務安全性を評価できる水準ではないが、その後の損益によっては、返済猶予の解消は可能とみることもできる。

 一方で、「企業特性」欄には、「25年4月15日に東京証券取引所より、開示された情報の内容に虚偽があり、上場規則に違反し、改善の必要性が高いと認められるため、改善報告書の提出請求がなされた。当時の代表取締役会長兼社長の過大な影響力や結果重視の企業風土、ガバナンスの機能不全、職務権限等のルールの未整備、内部監査室のモニタリング不足等に起因」と記載されている。さらに「当社の筆頭株主である(株)ジェット(TSRコード: 402493532)は、名古屋地方裁判所に当社の代表取締役の解任等を求める臨時株主総会招集許可を申し立てた。このような当社大株主による株主権行使の動向から、当社の上場維持に向けた内部管理体制の改善を推し進めている現経営体制を継続的に維持できるか、不透明な状況」と結んでいる。経営権を巡り、看過できない事態を指摘している。

 信用調査報告書は行間で、強権的なガバナンスの再構築が不可避と訴えていた。

 5月8日に開示した「再建計画」によると、商取引債権は約定通り支払い、既存株式の100%減資はせず、SMBCによるDIPファイナンス(枠7億円)も設定されたという。
 日本初の「上場維持型会社更生」としており、今後はステークホルダーの理解が焦点になりそうだ。

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