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「M&A」 前向きな企業は半数超の52.5% 対象企業が窮境も検討余地、PMIに不安も

~ 2026年6月 「M&A」に関するアンケート調査 ~


 M&A(買収・合併)のすそ野が広がっている。半数を超える企業がM&Aを経営戦略の1つに位置付けていることがわかった。M&Aを目指す企業の7割近くは、対象企業(売り手)が業績不振や債務超過などの窮境状態でも、「対象になり得る」との姿勢を示している。
 人口や企業数が減少するなか、規模や業界シェアの拡大に繋がるロールアップ(同業種での買収・統合)は、企業価値の向上や組織再編につながる手法でもある。また、過剰債務や後継者不在など、課題を抱える企業の出口戦略としても有効で、買い手と売り手のニーズがマッチしたM&Aの動向が注目されている。

 東京商工リサーチは、M&Aに関するアンケートを実施した。M&Aに前向きな企業は52.5%と半数を超えた。業種別では、「印刷・同関連業」、「自動車整備業」など、産業構造の変化で逆風を大きく受ける業種や、待遇改善や人手不足に苦しむ業種で60%以上に達した。規模追及や効率化、残存者利益の確保を見据えているとみられる。
 M&Aに前向きな回答をした企業は、窮境先に投資する「再生M&A」にも積極的な傾向があることがわかった。一方、M&Aを検討する上での課題では、「M&A後の自社文化との融合」、「自社の資金繰りへの影響」を挙げる企業が多い。今後、PMI(合併・買収効果の最大化プロセス)や円滑な資金供給、健全なM&A環境をサポートする人材の確保なども課題になりそうだ。

※本調査は、2026年6月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,258社を集計・分析した。
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。


Q1.貴社はM&Aを経営戦略上、どのように位置付けていますか?(択一回答)

■「選択肢の1つ」が42.6%
 最多は「必要に応じて活用を検討する選択肢の1つ(と位置付けている)」の42.6%(6,258社中、2,669社)。「重要な成長戦略の1つ」は9.9%(623社)で、合計52.5%が前向きだった。一方、「M&Aには関与しない方針だ」も31.6%(1,981社)に達した。
 前向き(重要な成長戦略+選択肢の1つ)姿勢の企業を業種別(中分類、母数10以上)でみると、トップは「保険業」の77.2%(22社中、17社)だった。
 一方、「関与しない方針」のトップは「電気業」の61.5%(13社中、8社)だった。

Q1.貴社はM&Aを経営戦略上、どのように位置付けていますか?

Q2.Q1で「成長戦略の1つ」「検討する選択肢の1つ」と回答された方に伺います。業績不振や債務超過など窮境状態にある企業はM&Aの対象になりますか?対象企業は、技術や人材、顧客基盤、ブランド、事業ノウハウなど有効な経営資源がある前提で回答ください(択一回答) 

■「条件次第でなり得る」が57.3%
 「成長戦略の1つ」、「検討する選択肢の1つ」と回答した3,292社のうち、3,051社から回答を得た。
 最多は「条件次第では検討対象になり得る」の57.3%(1,749社)だった。また、「十分、検討対象になり得る」は11.9%(366社)で、合計69.3%が窮境企業でも事業価値があれば、前向きな姿勢を示した。
 前向き(十分+条件次第)と回答した企業の業種(中分類、母数10以上)でみると、「家具・装備品製造業」が90.9%(11社中、10社)で最も高かった。

Q2.業績不振や債務超過など窮境状態にある企業はM&Aの対象になりますか?

Q3.Q1で「成長戦略の1つ」「検討する選択肢の1つ」と回答された方に伺います。窮境状態にある企業へのM&Aを検討する際の懸念点は何ですか?(複数回答)

■「自社の資金繰りへの影響」が過半
 「成長戦略の1つ」「検討する選択肢の1つ」と回答した企業のうち、2,920社から回答を得た。最多は「自社の資金繰りへの影響」の57.9%(1,691社)だった。また、対象企業の「人材の流出」や「顧客の離反」、「ブランド毀損」を挙げる企業も多い。M&A後の事業価値の維持を気にしているようだ。
 規模別でみると、「M&A後の自社文化との融合」は中小企業で38.0%(2,663社中、1,012社)だったのに対し、大企業で52.5%(257社中、135社)に達した。

Q3.Q1で「成長戦略の1つ」「検討する選択肢の1つ」と回答された方に伺います。窮境状態にある企業へのM&Aを検討する際の懸念点は何ですか?

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