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「円安」、企業の40.7%が「経営にマイナス」 望ましい為替レートは、「1ドル=136.8円」

~ 2026年6月「為替」に関するアンケート調査 ~


 加速する円安で政府・日銀は2026年4月30日、11兆円超の為替介入を実施し、1ドル=156円台まで円高が進んだ。しかし、6月3日には1ドル=160円台の円安に戻している。
 東京商工リサーチ(TSR)は6月1日~8日、円安に関するアンケート調査を実施した。その結果、望ましい為替レートは、平均値「1ドル=136.8円」、中央値「1ドル=140.0円」で、現状の「1ドル=160円前後」とは、約20円の乖離があることがわかった。
 また、5月末の1ドル=159円前後の為替レートでは、「経営にマイナス」と回答した企業は40.7%だった。

 円安が経営に「マイナス」と回答した企業は、大企業41.1%、中小企業40.6%で、規模的な差はほとんどなかった。業種別では、「マイナス」の回答は「卸売業」で半数を超える52.6%でトップだった。事業規模を問わず、海外からの仕入れに依存する卸売業で影響が広がっている。
 政府・日銀による為替介入の防衛ラインは、1ドル=160円程度とみられるが、企業の4割以上(43.4%)が「160円未満で介入すべき」と求めており、円安に伴うコストプッシュ圧力への危機感に対する温度差が浮き彫りになった。
 日銀は6月15日、16日に開く金融政策決定会合で、31年ぶりに政策金利を1.0%程度へ引き上げる公算が高まっている。円安対策として政策金利の引き上げは有効だが、すでに織り込み済みの状況で、利上げがどこまで円安に抑制効果を生むか不透明だ。
※ 本調査は、2026年6月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,605社を集計、分析した。
※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
※ 前回調査は、2025年12月12日発表。


Q1.今年5月末(1ドル=159円前後)の為替水準は貴社の経営にとってプラスですか?マイナスですか?(単一回答)

 1ドル=159円前後の円安が、経営に及ぼす影響について聞いた。最多は「マイナス」の40.7%(6,605社中、2,688社)だった。前回調査(2025年12月実施、1ドル=156円前後)の41.3%より0.6ポイントダウンしたが、ほぼ同水準の40%台が続く。
 一方、「プラス」は3.2%(214社)にとどまり、企業は現在の円安水準を圧倒的にマイナスと受け止めている。
 規模別では、「マイナス」は大企業41.1%(472社中、194社)、中小企業40.6%(6,133社中、2,494社)だった。前回調査では、大企業が41.8%、中小企業が41.3%で、それぞれ0.7ポイントずつダウンした。
 「プラス」は大企業が5.3%(25社)で、中小企業の3.0%(189社)を2.3ポイント上回った。

Q1.今年5月末(1ドル=159円前後)の為替水準は貴社の経営にとってプラスですか?マイナスですか?

産業別 「卸売業」のマイナス影響が半数以上

 Q1の回答企業を産業別で分析した。 
 「マイナス」影響の割合が最も高かったのは、卸売業の52.6%(1,219社中、642社)だった。次いで、小売業の49.8%(373社中、186社)、製造業の47.5% (1,591社中、756社)と続き、円安による仕入価格の影響を受けやすい業種が上位を占めた。
 また、燃料費などが影響する運送業が45.4%(253社中、115社)、飼料などを輸入に頼る農・林・漁・鉱業が42.3%(52社中、22社)で、全企業の40.6%を上回った。

産業別 「卸売業」のマイナス影響が半数以上

Q2.市場では、政府による円買い・ドル売りの為替介入ラインについて、1ドル=160円程度と考えられています。貴社は、この介入ラインをどう考えますか?(単一回答)

 政府による為替介入ラインについて、4,673社から回答を得た。
 最多は、「160円未満で介入すべきだ」の43.4%(2,032社)だった。160円台での介入は遅すぎると考える企業が多い。
 規模別では、中小企業は「160円未満で介入すべき」が最多の43.6%(4,334社中、1,892社)だったのに対し、大企業は「適切だ」が46.3%(339社中、157社)で最も多かった。
 資金力や価格交渉力に劣る中小企業ほど、政府による円安抑制を切望している実態を浮き彫りにしている。
 なお、「160円程度で介入すべきでない」は全体で15.5%(728社)にとどまった。

Q2.市場では、政府による円買い・ドル売りの為替介入ラインについて、1ドル=160円程度と考えられています。貴社は、この介入ラインをどう考えますか?

Q3. 貴社にとって望ましい円相場は1ドルいくらですか?

 望ましい為替レートについて、3,295社から回答を得た。
 平均値は「1ドル=136.8円」、中央値は「1ドル=140.0円」で、現状の為替レートと20円以上の乖離がある。一方、大企業の平均値は140.4円(中央値145.0円)だったのに対し、中小企業の平均値は136.5円(中央値140.0円)で、中小企業が4円近く円高ラインを求めている。
 5円刻みのレンジでは、最多が「150円以上155円未満」の20.5%(677社)。以下、「120円以上125円未満」が17.2%(569社)、「130円以上135円未満」が16.5%(545社)、「140円以上145円未満」が13.3%(439社)と続く。今年5月末の「1ドル=159円前後」が含まれる「155円以上」と回答した企業は11.3%(373社)にとどまった。
 規模別でみると、最多レンジの「150円以上155円未満」は、大企業が33.7%(216社中、73社)に対し、中小企業が19.6%(3,079社中、604社)で、輸出関連が多い大企業が14.1ポイント上回った。

Q3. 貴社にとって望ましい円相場は1ドルいくらですか?

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