• TSRデータインサイト

9月の新型コロナ破たんは173件 減少が鮮明に

 9月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が173件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万693件に達した。月間200件を下回ったのは2022年7月(189件)以来、26カ月ぶりで、コロナ破たんは減少傾向が目立った。

 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.297%で、全国の企業400社に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.522%、次いで福岡県の0.455%、宮城県の0.447%、広島県の0.364%、大阪府の0.361%と続く。一方、最低は高知県の0.123%で、地域によってばらつきがある。

 コロナ関連破たんは今年に入って最小を記録した。ただ、「ゼロゼロ融資」の利用企業の返済がスタートしているなかで、業況の回復がままならない企業は、返済資金と運転資金の捻出を二重に求められることになり返済に苦慮している。さらに、人件費の負担増などコストアップ、金利の上昇局面に伴う資金調達への影響にも警戒する必要がある。コロナ関連破たんは減少傾向ではあるが、体力の乏しい小規模企業の息切れを中心に引き続き一定数の発生は避けられないとみられる。

月別 判明件数(負債1000万円未満含む)

【都道府県別】~ 300件以上は9都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が2,186件と全体の2割強(構成比20.4%)を占め、突出している。以下、大阪府982件、福岡県617件、愛知県519件、兵庫県455件、神奈川県452件、北海道447件、埼玉県366件、広島県303件と続く。
 300件超えが9都道府県、200件~300件未満が6府県、100件~200件未満も11県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は鳥取県の24件。

都道府県別破たん状況コロナ破たん率 都道府県別



人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=141.6円 前期比1.9円円高を想定、4期ぶり円安にブレーキ

主な株式上場メーカー98社の2025年度決算(2026年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=140円が48社(構成比48.9%)と約5割にのぼった。平均値は1ドル=141.6円で、前期に比べ1.9円の円高となった。

3

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

日産自動車の役員報酬1億円以上開示は5人 内田前社長の報酬額は3億9,000万円

 経営再建中の日産自動車が、2025年3月期決算の有価証券報告書を提出した。報酬額1億円以上の個別開示の人数は5人で、前年と同数だった。

5

  • TSRデータインサイト

2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分

2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、189件(前年比8.0%増)で、漏えいした個人情報は1,586万5,611人分(同61.2%減)だった。 事故件数は調査を開始した2012年以降、2021年から4年連続で最多を更新した。

TOPへ