• TSRデータインサイト

9月の「円安」関連倒産 4件 2カ月連続で前年同月を下回る

~ 【9月速報】 「為替」関連倒産(9月29日現在) ~


 2023年9月の「円安」関連倒産は4件(前年同月6件)で、2カ月連続で前年同月を下回った。ただ、2022年7月から15カ月連続で「円安」関連倒産が発生し、円安の影響が続いていることがうかがわれる。2023年の1-9月累計は38件。


 2023年9月の「円安」関連倒産は、卸売業2件、製造業と小売業が各1件だった。円安により仕入コストが上昇したことで利益を圧迫し、資金繰りに行き詰まるケースがほとんどを占める。
 ドル/円は2023年9月26日の東京外国為替市場で11カ月ぶりに149円台に下落し、その後も149円台で推移するなど、150円台も目前になっている。
 原材料や資材を含め輸入品の価格は上昇し、企業の仕入コストの増大を招き、経営に大きな負担となっている。さらに、業績回復が遅れている中小・零細企業ほど価格転嫁が進んでおらず、資金繰りも厳しさを増している。
 円安は輸出産業には追い風となり、業績に大きく寄与している。しかし、内需企業や中小・零細企業には物価高として重く圧し掛かり、企業体力を大きく疲弊させている。

円安関連倒産月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ