• TSRデータインサイト

10月も高水準が続く コロナ破たん 累計2,232件【10月14日16:00 現在】

 10月14日は16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が5件判明、全国で累計2,118件(倒産2,019件、弁護士一任・準備中99件)となった。
 月別では、2021年に入って2月(122件)以降、3カ月連続で最多件数を更新した。5月は124件と4カ月ぶりに前月を下回ったが、6月は155件でそれまでの最多を記録した。7月(140件)、8月(124件)も100件超えが続き、9月はこれまでの最多を更新する160件に達した。10月も14日までに64件と高水準が続いている。
 倒産集計の対象外となる負債1,000万円未満の小規模倒産は累計114件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計で2,232件となった。
 「緊急事態宣言」の全面解除と感染者数の減少で、飲食や観光業を中心に需要回復への期待が高まっている。ただし、地域によっては営業時間の短縮要請やイベントの制限などが継続し、当面はサービス業の流動的な事業環境が続く見込みだ。
 コロナ関連の金融支援策は継続するが、業績不振が長期化し過剰債務の問題も浮上している。息切れ破たんのほか、事業再開に伴う資金需要の活発化に対応できるかも焦点となっており、コロナ関連破たんは当面、高水準で推移するとみられる。

【都道府県別】(負債1,000万円以上) ~ 30件超えは18都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が468件(倒産452件、準備中16件)に達し、全体の2割強(構成比22.0%)を占め、突出している。以下、大阪府224件(倒産217件、準備中7件)、神奈川県105件(倒産102件、準備中3件)、 愛知県96件(倒産96件)、兵庫県95件(倒産87件、準備中8件)、福岡県94件(倒産89件、準備中5件)、北海道77件(倒産74件、準備中3件)と続く。
 14日は宮城県、栃木県、東京都、兵庫県、島根県で各1件判明した。この結果、10~20件未満が17県、20~30件未満が8県、30件以上は18都道府県に広がっている。一方、5件未満は山梨県、鳥取県(各4件)の2県のみ。

【業種別】(負債1,000万円以上)~飲食が最多の386件、建設、アパレル、食品卸、宿泊が続く ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で386件に及ぶ。これまで緊急事態宣言の対象となっていた地域では休業や時短営業、酒類提供の制限などで経営体力の消耗が懸念され、飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。
 次いで、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が209件、小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)の170件。このほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が102件。インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が96件と、上位を占めている。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した2,083件の負債額別では、1千万円以上5千万円未満が最多の782件(構成比37.5%)、次いで1億円以上5億円未満が675件(同32.4%)、5千万円以上1億円未満が376件(同18.0%)、5億円以上10億円未満が132件(同6.3%)、10億円以上が118件(同5.6%)の順。
 負債1億円未満が1,158件(同55.5%)と半数以上を占める。一方、100億円以上の大型倒産も6件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した2,019件の形態別では、破産が1,798件(構成比89.0%)で最多。次いで民事再生法が98件(同4.8%)、取引停止処分が89件(同4.4%)、特別清算が24件、内整理が9件、会社更生法が1件と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法の合計は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。
 先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

  「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した2,010件の従業員数の合計は2万2,089人にのぼった。
 2,010件の内訳では従業員5人未満が1,132件(構成比56.3%)と、半数以上を占めた。次いで、5人以上10人未満が383件(同19.0%)、10人以上20人未満が259件(同12.8%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 また、従業員50人以上の破たんは2021年上半期(1-6月)で17件、7月以降も7件発生している。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図20211014①

‌               (負債1,000万円以上)                  

日本地図20211014②

‌               (負債1,000万円未満を含む)                      

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大

2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、2カ月連続の150件割れ

2月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が140件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万3,715件に達した。2026年1月は143件で2022年1月の117件以来、4年ぶりに150件を下回ったが、2月も140件と小康状態が続いている。

3

  • TSRデータインサイト

2025年の株主優待「導入」上場企業は175社 個人株主の取り込みが課題、優待廃止は68社に

2025年に株主優待の導入(再導入を含む)を発表した上場企業は175社だった。一方で、廃止を発表した上場企業は68社だったことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。

TOPへ