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2021年(1-7月)「飲食業の倒産動向」調査

 2021年1-7月までの飲食業倒産(負債1,000万円以上)は、合計389件(前年同期比23.8%減)で落ち着いて推移した。前年同月比でも、5月は昨年、緊急事態宣言の発令に伴い、裁判所が一部業務を縮小した反動で増加したが、それを除く月はそろって減少した。
 コロナ関連融資や給付金、協力金などの支援が奏功しているとみられる。しかし、飲食業倒産のうち、コロナ関連倒産は177件(構成比45.5%)と半数近くに達し、支援があっても事業継続が困難な事業者が増えている実態を示している。
 新型コロナ感染の急拡大で、政府は6都府県に緊急事態宣言を発令し、まん延防止等重点措置の適用を13道府県に拡大することを決定した。これまでも飲食業界は、休業・時短営業や酒類提供の停止などの要請で、厳しい状況が続いている。
 「酒場・ビヤホール(居酒屋)」の倒産は90件(前年同期比11.7%減)で、このうち新型コロナ関連倒産は56件で6割以上(構成比62.2%)を占める。酒類提供の制限による来店客の減少や客単価の低下などの影響が大きいことがわかる。
 飲食業は低コストで創業が可能で、小・零細規模の事業者も多い。もともと経営体力がぜい弱な企業は、各種支援で一時的に資金繰りを維持できても、長引くコロナ禍で疲弊感を増し、息切れ倒産に繋がる可能性が高い。ここにきて新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらず、酒類提供などの制限がさらに長期化すると、飲食業界の倒産が増勢に転じる可能性が高い。

  • 本調査は、日本産業分類の「飲食業」(「食堂,レストラン」「専門料理店」「そば・うどん店」「すし店」「酒場,ビヤホール」「バー,キャバレー,ナイトクラブ」「喫茶店」「その他の飲食店」「持ち帰り飲食サービス業」「宅配飲食サービス業」)の2021年1-7月の倒産を集計、分析した。

新型コロナ関連倒産が高水準で推移

 2021年1-7月の飲食業倒産は、389件(前年同期比23.8%減)だった。2020年同期は、年初の人手不足による人件費上昇、新型コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言などで倒産が増加した。2021年は、コロナ禍の制度融資や持続化給付金、時短営業協力金、休業協力金などの支援効果で、倒産抑制が続いている。
 ただ、飲食業の新型コロナ関連倒産は177件(構成比45.5%)にのぼり、飲食業倒産の半数近くを占めた。月別の構成比も1月43.3%、2月35.1%、3月43.6%、4月53.7%、5月49.0%、6月38.3%と推移。7月は52.5%で3カ月ぶりに50.0%を超え、2020年12月から8カ月連続で構成比30.0%超が続いている。
 飲食業は小・零細企業が中心で、先行きの厳しさが一段と増す可能性が大きい

飲食業

業種別 居酒屋で新型コロナ関連倒産が6割

 業種別では、日本料理店や中華料理店、ラーメン店、焼肉店などの「専門料理店」が104件(前年同期比22.3%減)で最多。次いで、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」90件(同11.7%減)、「食堂,レストラン」67件(同45.5%減)の順。
 新型コロナ関連倒産が占める構成比では、「酒場,ビヤホール(居酒屋)」が62.2%(新型コロナ関連倒産56件)で最高。以下、「専門料理店」が48.0%(同50件)、「その他の飲食店」が44.4%(同4件)。10業種のうち、6業種でコロナ関連倒産が構成比4割以上を占めた。
 酒類の提供制限や時短営業要請が続くなか、居酒屋など酒類を取り扱う業種を中心に新型コロナの影響が強まっている。

飲食業

原因別 「販売不振」の構成比が約9割に拡大

 原因別の最多は、「販売不振」の342件(前年同期比22.0%減)で前年同期を下回った。ただ、飲食業倒産に占める構成比は87.9%(前年同期75.5%)と、前年同期から12.4ポイント上昇した。酒類の提供制限や時短・休業要請による売上の減少が大きく影響しているようだ。次いで、「既往のシワ寄せ」18件(前年同期比5.8%増)、「事業上の失敗」10件(同52.3%減)の順。
 『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は360件で、飲食業倒産の9割(構成比92.5%)を占めた。

飲食業

負債額別 「5億円以上10億円未満」で増加

 負債額別では、「5億円以上10億円未満」が10件(前年同期比100.0%増、前年同期5件)で、唯一増加した。休業協力金などの効果が比較的薄い中堅規模の企業で倒産が増加傾向にある。
 ただ、「1千万円以上5千万円未満」が292件(前年同期比26.0%減、構成比75.0%)と7割以上を占め、飲食業倒産の中心が体力の乏しい小・零細規模であることには変わりない。
 「10億円以上」は4件(前年同期比20.0%減、前年同期5件)発生した。

都道府県別 増加17、減少26、同数4

 都道府県別では、増加が17府県、減少が26都道府県、同数が4県。
 7月末時点で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が発令されている6都府県のうち、埼玉33.3%減(15→10件)、東京31.6%減(79→54件)、千葉30.0%減(10→7件)、大阪27.1%減(92→67件)、神奈川15.7%減(19→16件)の5都府県が減少した。
 一方、増加は沖縄50.0%増(2→3件)のみ。

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