1-9月の上場企業「早期・希望退職募集」は22社 人数は5,345人、黒字企業が6割を超える
~ 2026年1-9月 上場企業「早期・希望退職募集」状況 ~
2026年1月-9月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は22社(前年同期34社)、対象人数は5,345人(同1万1,909人)だった。社数は3割(35.2%)減少し、対象人数は半減(55.1%)した。
市場別では、約9割が東証プライム上場で、アルバックや住友重機械工業、ポーラ・オルビスホールディングス、宝ホールディングス、沖電気工業など、直近決算で黒字だった上場企業は14社で6割(63.6%)を超えた。
深刻な人手不足でも、構造改革や不採算部門の整理、年齢層の適正化を推進する上場企業は後を絶たない。産業別では、製造業が20社(構成比90.9%)と突出している。
社数・人数とも早期・希望退職の募集は落ち着いているが、将来への事業構造の転換や、技術革新に伴う人員ミスマッチ、コスト上昇は続いており、今後も上場企業が早期・希望退職の募集に動く可能性を残している。
住友重機械工業は2月10日、経営資源を成長性の高い事業領域へ重点的に投入するため、事業構造改革のスピードを加速し、国内グループ全社で500名規模の人員削減を発表した。沖電気工業は、AIやDXの進展に伴う業務プロセスの変化などで人財配置の最適化を図るため、55歳以上かつ勤続10年以上の従業員などを対象に「セカンドキャリア支援制度特別措置」を実施、668人が応募した。こうした年齢層の適正化に加え、中長期的な競争力強化を求め、黒字でも構造改革を進める動きが定着化している。
一方、KADOKAWAは2026年3月期連結決算で赤字に転落し、「健全な事業成長には筋肉質な体制の構築とコスト管理が不可欠」として5月に募集を発表した。業績不振の企業によるリストラも一定数発生している。
転職市場が活況を帯び、大手企業の早期・希望退職募集の流れも強まっている。この秋以降、値上げと個人消費の影響も注目され、再び希望退職の募集が増勢に転じることが危惧される。
※ 本調査は、早期・希望退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計した。
※ 2026年9月30日公表分(速報値)までの『会社情報に関する適時開示資料』と東京商工リサーチの独自調査に基づく。

業種別では電気機器が最多
2026年1-9月(速報値)の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は22社だった。
このうち、電気機器が8社と約4割(構成比36.3%)を占めた。次いで、化学が5社、機械3社と続く。

市場別区分 22社のうち、19社が東証プライム
「早期・希望退職募集」が判明した上場22社の市場区分は、東証プライムが19社で、約9割(構成比86.3%)を占めた。このほか、東証スタンダードが3社(同13.6%)だった。
市場別の募集人数は、東証プライムが5,044人で9割超(構成比94.3%)を占めた。東証スタンダードは301人(同5.6%)だった。

損益別 黒字企業が6割超え
22社の直近決算の最終損益(単体)は、黒字が14社(構成比63.6%)、赤字が8社(同36.3%)で、黒字が6割を超えた。
また、黒字企業の募集人数は3,406人で、全体の6割(同63.7%)を超えた。黒字の14社のうち、11社が東証プライム上場だった。
赤字8社の募集人数は1,939人(同36.2%)で、THKやシャープ、KADOKAWAなど。
