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銀行112行(2017年9月中間期決算)「地方公共団体・中小企業等向け貸出金残高」調査

 銀行112行の2017年9月中間期の総貸出金残高は、438兆8,765億円(前年同期比1.8%増)と6年連続で伸びた。このうち、地方公共団体(以下、地公体)向けは29兆3,699億円(同2.1%増)、中小企業等向けは304兆7,724億円(同3.8%増)と、それぞれ7年連続、6年連続で伸びた。
 中小企業等向け貸出金の伸び率が地公体向けを1.7ポイント上回ったが、これは調査を開始した2010年9月中間期以降、初めて。また、112行のうち、105行(構成比93.7%)で中小企業等向け貸出を伸ばした。
 地公体向け貸出の構成比が全体の6.69%を占めたが、これは9月中間期ベースでは過去最高となった。中小企業等向け構成比も69.44%で、2012年9月中間期(69.02%)以来、5年ぶりに69%台に回復した。
 2016年2月、日本銀行がマイナス金利を導入後、金融機関の収益環境は厳しさを増している。企業の資金需要の低迷などを背景に、金融機関は貸家などの不動産、個人カードローンなど特定分野への貸出に力を注いできた。こうしたなかで中小企業等向け貸出の伸びが、企業の資金需要による純増か他業態の金融機関からの借換え需要か、見極めることも必要だろう。


  • 本調査は、国内銀行112行の2017年9月中間期決算の「地方公共団体向け」および「中小企業等向け」の貸出金残高を前年同期と比較し、分析した(りそな銀行、沖縄銀行は信託勘定を含む)。
  • 「中小企業等」には、個人向け貸出金を含む。

地方公共団体向け貸出金 2.1%増

 銀行112行の2017年9月中間期の地公体向け貸出金残高は29兆3,699億円(前年同期比2.1%増)で、7年連続で増加した。112行のうち、地公体向け貸出が前年同期を上回ったのは62行(構成比55.3%)で、前年の65行より3行減少した。
 112行の総貸出金残高のうち、地公体向け貸出比率は6.69%(同0.02ポイント上昇)を占めた。調査開始した2010年9月中間期以降、7年連続で構成比は拡大し、2016年9月中間期の6.67%を上回り、最高を記録した。112行のうち、地公体向け貸出比率が前年同期を上回ったのは41行(構成比36.6%)で、前年同期46行より5行減少した。
 地公体向け貸出比率のトップは、青森銀行の34.10%(前年同期33.86%)で2年連続トップ。以下、北都銀行32.41%(同32.35%)、北洋銀行30.10%(同28.25%)、福島銀行23.54%(同24.13%)、秋田銀行23.11%(同24.92%)と、東北に本店を置く金融機関が上位を占めた。
 地公体向け貸出比率の上位10行では、7行で比率が拡大したが、うち5行が北海道、東北に本店を置く銀行で、このほかに北越銀行と鳥取銀行だった。

銀行112行 貸出比率推移

中小企業等向け貸出金 前年同期比3.8%増

 銀行112行の2017年9月中間期の中小企業等向け貸出金残高は、304兆7,724億円(前年同期比3.8%増)だった。9月中間期では6年連続で前年同期を上回り、調査を開始した2010年9月中間期以降、初めて地公体向け貸出の伸び率を上回った。
 112行のうち、前年同期より貸出を伸ばしたのは105行(構成比93.7%)で、内訳は大手7行、地方銀行62行、第二地銀36行。前年同期(101行)より4行増えた。
  112行の総貸出金残高のうち、中小企業等向けの構成比は69.44%で、前年同期の68.11%より1.33ポイント上昇した。ただ、2010年9月中間期の70.07%に比べると0.63ポイント低い。
 中小企業等向け貸出比率は、スルガ銀行が96.74%(前年同期96.15%)と、調査を開始した2010年9月中間期以降、8年連続でトップ。以下、南日本銀行93.89%(同94.05%)、大正銀行93.52%(同93.34%)、関西アーバン銀行93.46%(同93.42%)、静岡中央銀行92.86%(同92.74%)と、第二地銀が上位を占めた。

地区別 全10地区で中小企業等向け貸出が増加

 銀行本店の所在地別では、地公体向け貸出残高は北海道、中部、近畿、中国、九州の5地区が前年同期を上回った。増加率は中国11.1%増、貸出比率は北海道26.77%が、それぞれトップ。
 中小企業等向け貸出残高は、全10地区で前年同期を上回った。増加率は中国の8.1%増をトップに、東北5.9%増、四国5.7%増、九州5.5%増、中部4.7%増と続く。
 北海道、近畿、中国の3地区は、地公体向け貸出の増加率が中小企業等向けを上回った。


 2017年9月中間期は、地銀・第二地銀ともに地公体向け貸出を伸ばした。中小企業等向け貸出も全業態で伸び、初めて伸び率が地公体向けを超えたが、貸家アパート向けが牽引した「不動産向け」に加え、「中小企業等」はカードローンも含んでいる。純然たる中小企業向け貸出では、製造業が前年同期比4.5%増、小売業が同2.8%増、建設業が同1.4%増、卸売業が同0.7%増と、業種により温度差がある。
 金融機関は業績や個人保証、担保などに依存した「日本型金融」から脱却し、企業の将来性などを判断する「事業性評価」による貸出に動き出している。それだけに金融機関は顧客が求める企業育成、資金需要など、様々なニーズへの対応で存在感を示せるかどうかを問われている。

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