シニアコネクテッドテクノロジーズ(株)(TSR企業コード:130077178、法人番号:6020001129186、大和市中央林間7-10-1、設立2018(平成30)年12月、資本金100万円)は2月14日、東京地裁より破産開始決定を受けた。
破産管財人には伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都中央区八重洲2-8-7)が選任された。
負債総額は279億円。
「arrows(アローズ)」シリーズや「らくらくスマートフォン」などの携帯電話端末を販売していたFCNT(株)(現:大和管財(株)、TSR企業コード:027062554、法人番号:7010001189049、大和市)と、その製造部門のジャパン・イーエム・ソリューションズ(株)(現:佐保管財(株)、TSR企業コード:027062619、法人番号:5010001189050、兵庫県加東市)、2社の持株会社であるREINOWAホールディングス(株)(TSR企業コード:027062490、法人番号:8010001189048、大和市)のグループ会社として設立された。
実際の業務が開始されないなか、FCNTらグループ3社が2023年5月30日、東京地裁に民事再生法を申請。当社はREINOWAホールディングスのLBOローンの債務保証を行っていたため、連鎖し今回の措置となった。
WeWork Japan合同会社(TSR企業コード:017839289、法人番号:2010003023482、港区南青山1-24-3、設立2016(平成28)年4月、資本金550万円)は2月1日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、民事再生開始決定を受けた。
申請代理人は片山英二弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)。
監督委員には須藤英章弁護士(東京富士法律事務所、千代田区麹町3-3)が選任された。
負債総額は2708名に対して157億2148万円。
WeWork事業は物件オーナーからスペースを賃借してリデザインし、会員へ貸し出すビジネスモデルで急成長した。「シェアリングエコノミー」の業態として注目を集め、ソフトバンクグループからの出資を得て、米国を中心に世界39カ国150都市以上、800拠点以上(2023年1月現在)に展開してきた。
日本においては、米国WeWork社とソフトバンクグループの合弁によって設立された当社により出店を進めてきた。東京(31拠点)を中心に大阪、福岡、名古屋など主要都市に約40拠点を出店、2022年12月期は売上高260億6620万円をあげた。
しかし、2019年以降、米国WeWork社は巨額の赤字を散発して成長路線に歯止めがかかったうえ、「新型コロナウイルス」感染拡大でシェアオフィスの利用が低迷したことで業績がさらに悪化していた。
こうしたなか、2023年11月6日(現地時間)に、米国WeWork社が自力再建を断念して、連邦破産法第11条(チャプター11、民事再生法に相当)の適用を申請した。負債総額は約190億ドル(約2兆8500億円)にのぼる大型倒産で、日本法人である当社の動向にも注目が集まった。
これを受け、当社は11月7日(日本時間)に「日本国内の拠点は高い占有率を示しており、今後も変わらず営業を継続する方針」との声明を公表していた。しかし、事業移管を主軸とした民事再生法の申請に踏み切った。
広報資料によると、ソフトバンク(株)(TSR企業コード:292305397、法人番号:9010401052465、東京都港区)をスポンサーとする基本合意を2月1日付で締結。ソフトバンクが新設した100%子会社のWWJ(株)へ吸収分割の方法で事業を移管する計画で、事業に係る債務は、再生債権となるものも含め、吸収分割前は当社が、吸収分割後はWWJが引き続き支払うことを計画している。また、WWJへの事業移管は、監督委員の同意などを条件に2024年4月中の完了を見込んでいる。
(株)VIP(TSR企業コード:300399014、法人番号:7010001158128、千代田区麹町1-7、設立2014(平成26)年1月、資本金1000万円)は1月30日、東京地裁より特別清算開始決定を受けた。
負債総額は72億7339万円。
「V-Lowマルチメディア放送(i-dio放送事業)」に関連する放送局の整備や受信端末の研究開発などを手掛けていた。同事業は(株)エフエム東京(TSR企業コード:290585554、法人番号:1010001012439、千代田区)が主導し、地上アナログテレビ停波後の周波数を使用した新しい放送として展開。映像や音声、データを組み合わせることができるとして注目を集め、2016年3月期中には受信端末「i-dioPhone」を公表し、同期は売上高3196万円をあげた。
しかし、先行投資負担や利用者の低迷などにより赤字が累積。こうしたなか、2020年3月末をもってエフエム東京が同事業からの撤退を決定したため、以降は事業の清算を進め2023年10月6日、株主総会の決議により解散し、今回の措置となった。
(株)スマートテック(TSR企業コード:282159487、法人番号:8050001005432、水戸市赤塚1-16、設立2005(平成17)年10月、資本金3000万円)と、関連の水戸電力(株)(TSR企業コード:013817833、法人番号:3050001038692、同所、設立2015(平成27)年1月、資本金300万円)は2月2日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全処分および監督命令を受けた。
申請代理人は三村藤明弁護士ほか8名(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、千代田区大手町1-1-1)。
負債は、スマートテックが債権者約8000名に対して45億5300万円、水戸電力が債権者約10名に対して4億8000万円で、2社合計50億3300万円。
スマートテックは、太陽光や蓄電池の販売から電力売買まで手掛ける総合エネルギー事業者。設立当初はリフォーム工事等を手掛けていたが、その後、太陽光発電設備の販売へシフトした。近年は電力売買や省エネ設備の強化などで事業を急拡大し、2020年9月期に73億3416万円だった売上高は、2021年9月期には90億9787万円と急伸。しかし、卸売電力市場価格の高騰によるインバランス料金の上昇やコロナ禍による資材不足などで省エネ設備の販売が低迷し、同期は1億1259万円の赤字を計上した。
2022年9月期も調達価格が販売価格を上回る逆ザヤが続き、売上高60億8110万円に対し、2億5354万円の赤字となった。2023年3月期(決算期変更)は、電力事業の縮小などで黒字に転換したが、資金調達が限界に達し、2024年1月には取引先に対する債務やファクタリングにより調達した資金の返済が困難となり、自力での再建を断念した。
なお、複数のスポンサー候補が存在するため、スポンサーの選定手続きを実施し、スポンサー支援により事業を継続していく意向。
水戸電力も、エネルギー事業を手掛けていたが、スマートテックに連鎖した。
(株)野村佃煮(TSR企業コード:641103310、法人番号:4130001019460、宇治市大久保町田原24、設立1952(昭和27)年5月、資本金4300万円)と、関連の(株)東京野村(TSR企業コード:290817056、法人番号:3010001005283、東京都文京区弥生1-3-3、設立1971(昭和46)年4月、資本金3200万円)は2月13日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全・監督命令を受けた。
申請代理人は井上愛朗弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1)ほか7名。
監督委員には日高章弁護士(黒潮総合法律事務所、東京都千代田区神田多町2-7-3)が選任された。
負債は、野村佃煮が債権者272名に対して34億400万円、東京野村が債権者19名に対して6億円で、2社合計40億400万円。
野村佃煮は、1931年創業の老舗佃煮製造業者。「京佃煮野村」の屋号で知られ、佃煮を中心に煮豆や惣菜、おせち料理の製造販売を手掛けていた。百貨店やスーパーなど幅広い販路を形成し、2012年3月期には売上高約50億5100万円をあげていた。しかし、需要の減少とともに売上が落ち込み、2020年3月期は売上高が約39億9100万円にとどまり、約9700万円の赤字を計上した。
「新型コロナウイルス」感染拡大以降は、インバウンド需要の低下からさらに業績が悪化。2023年頃からは不採算事業からの撤退などにより再建を目指していたが、収益の改善が遅れ、今回の措置となった。
東京野村は、東京都や神奈川県などの店舗運営のほか、東日本エリアのスーパー向けに卸売を手掛けていたが、野村佃煮に連鎖した。
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