「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大
~2025年全国の「倒産発生率」調査~
2025年の全国企業倒産は1万300件(前年比2.9%増)で、2013年の1万855件に次ぐ水準だった。2024年に続いて2年連続で倒産が1万件を超え、全国9地区では7地区が前年を上回った。
2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。
東京商工リサーチは、「令和3年経済センサス」(総務省)の515万6,063事業所と都道府県別の倒産件数から「倒産発生率」を算出した。
都道府県別では、ワーストが京都府の0.36%。次いで、大阪府0.32%、兵庫県0.31%、東京都0.28%、奈良県0.27%の順で、近畿勢が上位を占めた。全国平均は0.19%で、京都府は1.9倍、大阪府は1.7倍上回っている。
近畿以外の上位では、4位が東京都0.28%、7位が福岡県0.233%、8位が栃木県0.231%、10位が愛知県0.220%で、大都市圏とその周辺で倒産発生率が高い傾向にある。
業種別では、ワーストが「繊維・衣服等卸売業」の0.84%。次いで、「映像・音声・文字情報制作業」の0.74%が続く。ワースト1位から4位は前年と順位が変わらなかった。
一方、最低は「不動産賃貸業・管理業」の0.03%、次いで、「医療業」の0.07%で前年と順位は同じだった。
コロナ禍の支援策が縮小し、企業倒産は2022年から4年連続で増勢を持続している。円安に伴う物価高や人手不足に加え、日本銀行が0.75%程度の政策金利引き上げを決定し、借入金利は上昇局面に入っている。今後は、中小企業の設備投資だけでなく、住宅ローン上昇の影響も懸念されている。これまで比較的堅調だった不動産業、建設業などすそ野が広い業界の変化にも注意が必要で、倒産発生率の動向が注目される。
※ 本調査は、令和3年経済センサスの事業所数と負債総額1,000万円以上の倒産件数で「倒産発生率」を算出し、分析した。
倒産発生率ワーストは京都府、近畿2府4県がワースト10位内
2025年の倒産発生率は、前年と同様に近畿圏が際立った。都道府県別は、ワーストが京都府の0.36%で、全国平均0.19%の約1.9倍だった。近畿2府4県すべてがワースト10位内に入り、近畿の倒産発生率の高さが際立った。
一方、最も低かったのは高知県の0.084%。このほか、長崎県0.085%、長野県と山口県0.095%、愛媛県0.097%が並んだ。

【地区別】近畿がワースト、最低の北海道とは2.4倍差
地区別の倒産発生率は、上位10位に2府4県がすべてランクインした近畿が0.31%で3年連続でワースト。次いで、関東0.21%、中部0.17%と続く。上位には、いずれも大都市が入っており、物価高による消費低迷の影響を受けたサービス業、小売業が多い都市部で、倒産発生率が高い傾向がみられる。
4位以下は、九州0.156%、北陸0.153%、東北0.151%、中国0.132%、四国0.127%、北海道0.126%の順。前年7位から5位に浮上した北陸の悪化(0.013ポイント上昇)が目立った。
一方、北海道は前年0.129%から0.003ポイント減少し、前年8位から9位へ改善した。
前年と比べ順位10位以上の変動は11県あった。特に、中国は5県中3県で10位以上改善、1県が10位以上後退し、最も順位変動が大きい地区だった。

【業種別】アパレル卸や映像制作業、広告業が上位に並ぶ
業種別(倒産30件以上)の倒産発生率は、アパレル業の「繊維・衣服等卸売業」が0.84%で最も高かった。次いで、「映像・音声・文字情報制作業」0.74%、「広告業」0.635%、ソフトウェア業などの「情報サービス業」0.634%、「職別工事業」0.54%が続く。
一方、最も低いのは「不動産賃貸業・管理業」の0.03%だった。このほか、「医療業」0.07%、美容室やエステなどの「洗濯・理容・美容・浴場業」0.093%、スーパーやパン屋などの「飲食料品小売業」0.096%、学習塾やスポーツ教授業などの「その他の教育,学習支援業」0.10%が低かった。
前年と同様に分母となる事業所数では、上位が10万件未満にとどまるのに対し、下位には歯科医院やコンビニ、美容室など事業所数の多い業種が並び、倒産発生率を押し下げた格好となった。
