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2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

~ 2025年全上場企業「監査法人異動」調査 ~
 全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。
 前年から大幅に増えた要因は、2024年は前年の「監査法人の合併」などで、2019年以降で最少を記録した反動とみられる。2025年は「監査期間の満了」や「監査報酬の見直し」「会計監査人の辞任等」などで、監査法人の異動が増加した。監査法人の規模では、「中小の監査法人から中小の監査法人」への異動が78社(前年比56.0%増)と、過去最多を記録した。
 
 上場企業の監査法人の異動理由の最多は、監査期間が長期間にわたる「監査期間の満了」が75社(前年比127.2%増)だった。次いで、「監査報酬の見直し」が55社(同11.2%減)、「会計監査人の辞任等」が39社(同69.5%増)で続く。
 異動規模別では、最多が「中小→中小」の78社(前年比56.0%増)で、「大手→中小」が43社(同6.5%減)と続く。一方、「中小→準大手・大手」は4社(同20.0%減)にとどまった。
 東証グロースに上場していた(株)オルツ(東京都港区、2025年7月民事再生法)の循環取引による大規模な粉飾決算や、東証プライム上場のニデック(株)(京都市南区)の不適切会計の疑義など、上場企業のガバナンス不全が相次いでいる。
 2026年2月18日、日本公認会計士協会は、上場企業を監査する監査法人の会計士の最低人数引き上げを検討するプロジェクトチームを発足させた。監査品質を維持するための人員確保が困難などの理由で、監査法人から監査契約を辞退するケースもあり、中小監査法人の合併などの動きが活発化するか注目される。
※本調査は、2025年に「監査法人」「会計監査人」「公認会計士」の異動に関する適時開示を行った企業を集計した。
※大手監査法人はEY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwCJapan有限責任監査法人の4法人、準大手監査法人を仰星監査法人、三優監査法人、太陽有限監査法人、東陽監査法人の4法人、その他を中小監査法人とした。
※業種分類は、証券コード協議会の業種分類に基づく。上場の市場は、東証プライム、スタンダード、グロース、名証プレミア、メイン、ネクスト、札証、アンビシャス、福証、Q-Boardを対象にした。2019~2021年は旧市場で分類した。



異動理由別 「監査期間」が最多の75社
 異動理由別は、最多が監査期間が長期にわたるなどの「監査期間」の75社(構成比38.2%)だった。次いで、「監査報酬」が55社(同28.0%)、「会計監査人の辞任等」が39社(同19.8%)と続く。
 「監査報酬」と「監査期間」の合計が130社(構成比66.3%)と6割以上にのぼり、監査期間や事業規模に適した監査体制、費用の相当性などを総合的に判断、監査法人を変更する企業が多い。
 「会計監査人の辞任等」は集計を開始以降で最多だった2019年を抜き、最多を更新した。上場会社等監査人登録制度への未登録、拒否による辞任、監査法人の人員不足などの理由が多い。
 また、「経営環境の変化」では、組織構造の変更や、新規事業などへの進出に伴う体制の変更などが挙げられた。



監査法人異動規模別 「中小→中小」が78社で最多
 監査法人の異動規模別では、「中小→中小」が78社(構成比39.7%)で最も多かった。次いで、「大手→中小」が43社(同21.9%)、「大手→準大手」が25社(同12.7%)と続く。
 2025年に退任した監査法人数は、最多が有限責任あずさ監査法人の36社。大手や準大手の監査法人のほか、上場会社等監査人名簿の登録を拒否する処分を受けた監査法人などの退任も多かった。
 中小から中小への異動が最も多いが、自社の経営規模に見合った監査報酬で大手から中小へ、大手から準大手への監査法人が異動する動きも目立つ。
 一方で、監査法人の選任が未定の場合だけでなく、半導体洗浄装置メーカーの(株)ジェイ・イー・ティ(東証スタンダード)のように業務拡大などで中小から大手への異動などのケースもある。







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