リフォーム工事業の倒産、過去最多ペース ~ 資材高と人手不足、値引き要求で「利益なき工事」 ~
住宅ローン金利上昇、地価高騰で中古への視線が熱い。ただ、2026年のリフォーム工事会社の倒産は、1-9月で96件(前年同期比20.0%増)に達し、2002年以降の最多を更新した。このペースだと年間120件を超える。
価格を抑えるため物件を原状のまま引き渡すケースや、高騰するリフォーム工事代の値引きなど、経営環境は厳しさを増す。このため、赤字累積による倒産が急増、「利益なき工事」での息切れ倒産が浮かび上がる。
「建築リフォーム工事業」の倒産(負債1,000万円以上)を対象に、集計した。
1-9月でみると、統計開始の2002年は17件で、その後は景気や不動産市況に左右される展開が続いた。リーマン・ショックの起きた2008年は67件、東日本大震災後の2012年は74件、資材高に見舞われた2025年は過去最多の80件だった。
1-9月に倒産した96件を分析すると、原因別では、最多は販売不振の67件(前年同期比19.6%増)で、「赤字累積」は17件(同70.0%増)だった。この2原因で約9割を占めた。
負債額は、1億円未満が78件(構成比81.2%)と小規模倒産が中心になっている。ただ、1億円以上5億円未満も18件(同18.7%)発生し、次第に中堅規模にもシフトしている。
資材高騰、働き方改革による職人不足、人件費上昇などに加え、受注競争も年々厳しさが増している。値引きの行き着く先は、赤字受注だ。業界関係者は、「競合のなかでユーザー側が強くなる傾向もみられる」と耳打ちする。

消費税減税の影響
首都圏の不動産会社の代表は、「(中古物件は)本来、リフォームで価値を高めて販売すべき。だが、売値が上昇して売れなくなったり、資材不足での工事延期が新たなトラブルの元になる可能性がある。値下げ要求も厳しく、割りを食うリフォーム工事会社が倒産している」と語る。
別の業界関係者によると、「規模にもよるが、300万円で内装をある程度リフォームすることは出来なくなった」という。物件価格が上昇するなか、購入者の予算や住宅ローンの目安を超え、リフォーム分の値引きで帳尻合わせする構図だ。
「価格高騰」と「値引き」に包囲されたリフォーム工事業は、しばらく薄利と赤字の狭間での苦難の時代が続きそうだ。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年10月13日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)