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上場企業「個人情報漏えい」、過去最悪ペース ~ 100万件以上、2026年はすでに10件の異常事態 ~

 不正アクセスによる個人情報漏えいが相次いでいる。これまでも漏えいはあったが、最近は頻発かつ大規模だ。
 カーシェアリングサービスを手掛けるタイムズモビリティ(株)(TSRコード: 740491903、品川区)は9月28日、約660万件(アカウント数)の情報の漏えいを公表した。また、人気焼肉チェーン「焼肉きんぐ」を運営する(株)物語コーポレーション(TSRコード:510118895、豊橋市)は10月5日、同チェーンの公式アプリから会員情報1,078万8,963件の情報漏えいを明らかにした。
 いずれも多くの一般消費者が対象のBtoC企業なだけに、巻き込まれた顧客は広範囲に及ぶ。



 東京商工リサーチ(TSR)は2012年以降、上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故を集計している。
 集計開始から2025年までの14年間で、最大の情報漏えいは、2014年7月に発生した(株)ベネッセホールディングス(現:(株)ベネッセコーポレーション、TSRコード:710092490、岡山市)の約3,504万件だ。これはグループ会社の業務委託先の元社員による不正持ち出しだった。これを含め、1,000万件以上の漏えい事件は2025年までの14年間で3回発生している。
 ところが、2026年は大規模な情報漏えいが続出する異常事態となっている。すでに10月5日までに1,000万人分以上の漏えい事故が3回発生している。
2026年の最大の流出は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)向けメールシステムが不正アクセスを受け、1,223万1,954件のメールアドレスが漏えいしたKDDI(株)(TSRコード:292021216、東京都港区)。
 流出100万件以上は、2026年はすでに10件確認された(10月5日時点)。これは2025年(1-12件)の6回を大幅に上回っている。
カー用品大手の(株)イエローハット(TSRコード: 291004628、大田区)は4月、連結子会社の会員専用サーバーに不正アクセスを受け、317万9,454件の個人情報の漏えいを公表した。ところが8月にも本体の予約システムに不正アクセスがあり最大180万1,499件の情報漏えいの可能性を公表。短期間で2回の大量の漏えいが発生した。
 ことしの大規模漏えいのうち、5件が歴代の漏えい件数ワースト10位にランクする。頻発する最近の情報漏えいの規模が、いかに大規模化しているかを物語る。

迫られる情報防衛とBCP対策

 漏えいした情報は、件数だけでなく、内容についても精査が必要だ。タイムズモビリティの漏えいでは、運転免許証の画像を含む本人確認書類情報など、秘匿性が極めて高い情報が漏えいした可能性がある。
 7月にサイバー攻撃を受けた冷凍食品大手の(株)ニチレイ(TSRコード:291143563、東京都中央区)は、システム障害で物流機能が麻痺し、出荷停止に追い込まれた。
 情報セキュリティ対策は、企業の事業継続上でも不可欠な経営課題に浮上している。
 AI普及で、より強固な対策が必要なのは当然だが、被害を受けた場合の迅速な対策を示す事業継続計画(BCP)の整備も求められる。

個人情報漏えい事故


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年10月8日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

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