「フィットネスクラブ」の倒産が過去最多を更新へ 1-8月は26件、市場拡大もレッドオーシャンの兆し
~ 2026年1-8月「フィットネスクラブ」倒産動向 ~
拡大するフィットネス市場で、「フィットネスクラブ」の倒産が急増している。2026年1-8月は26件(前年同期比160.0%増)と前年同期の2.6倍に達し、2023年同期の16件を抜いて過去最多を更新した。
現在のペースで推移すると、2026年は年間最多の2023年の27件を上回り、40件台も視野に入ってきた。
コロナ禍は、屋内施設での運動を控える動きが広がり、フィットネスクラブは大ダメージを受けた。だが、コロナ関連支援に下支えされ、倒産は2020年1-8月9件(年間11件)、2021年同期3件(同8件)にとどまった。
コロナ禍が落ち着くと、健康志向や運動意欲の高まりを背景に、駅近、安価、着替え不要、24時間営業など、様々なサービスを提供するフィットネスクラブが乱立し、フィットネスクラブは新たな競争のフェーズに入った。
フィットネスクラブは、これまで大規模施設内で様々なトレーニングマシンやプールを備え、インストラクターの常駐が一般的だった。だが、最近はRIZAPが運営する『chocoZAP』のような省スペースで、低価格帯のジムが台頭してきている。
比較的省スペースでインストラクターが常駐せず、その分だけ低コストで運営し、会費も安く抑える。こうしたサービスと24時間、手軽に利用したい顧客ニーズがうまくマッチした。
ここに割って入るのが、本格的なパーソナルトレーニングジムだ。マンツーマンで徹底的なトレーニングを売りに新たなニーズを掘り起こし、多様化するスタイルで会員の奪い合いが熾烈化している。
だが、テナント料金や光熱費、専門トレーナーの人件費などコスト上昇が続き、フィットネスクラブの採算確保は容易ではない。特に、低資本で開業できるパーソナルジムは、差別化のため「入会金無料」などのサービスコストが上昇する一方、会員定着率が課題に浮上し、参入障壁の低さがレッドオーシャン化を招いている。このため、業績不振に陥ったフィットネスクラブの新陳代謝と淘汰の波は今後、本格化する可能性が高い。
※本調査は、日本標準産業分類の「フィットネスクラブ」の倒産(2026年1-8月、負債1,000万円以上)を集計、分析した。

原因別:「販売不振」が19件(前年同期比137.5%増、構成比73.0%)で最多。「既往のしわ寄せ」が3件(前年同期ゼロ、同11.5%)で続く。
資本金別:「1百万以上5百万円未満」が11件(前年同期比120.0%増、構成比42.3%)で最多。資本金1千万円未満が24件(構成比92.3%)で、小・零細企業が9割を占めた。
負債額別:最多は「1千万円以上5千万円未満」で19件(前年同期比111.1%増、構成比73.0%)。以下、「1億円以上5億円未満」が4件。「5億円以上10億円未満」も1件発生した。
従業員数別:「5人未満」が23件(同155.5%増、同88.4%)で最多。以下、「5人以上10人未満」が2件(同100.0%増、同7.6%)で、小規模企業が大半。