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「企業価値担保権」企業の76%が「知らない」 農・林・漁・鉱業、製造業などで活用意欲が高い

~ 2026年8月 「企業価値担保権」に関するアンケート調査 ~
 2026年5月25日、事業性融資の推進等に関する法律(事業性融資推進法)が施行され、企業価値担保権が創設された。制度開始から約3カ月が経過したが、企業価値担保権の認知率は23.2%にとどまり、制度の理解促進が課題になっている。
 「企業価値担保権」は、従来の概念を大きく変えるものだ。金融機関は、不動産担保や経営者保証などに依存せず、企業の事業性やノウハウ、将来のキャッシュフローなどの無形資産を含む事業全体を担保にした融資が可能になった。また、従来は融資を受けにくかった資産や不動産などの有形資産に乏しいスタートアップ企業も、事業の将来性などを基に融資を受けやすくなる。資産のない企業は金融機関から融資を受けられない、という「常識」は転換期を迎えている。
 
 規模別では、「(企業価値担保権を)知っている」との回答は、大企業が34.8%に対し、中小企業は22.2%で、大企業が中小企業を12.6ポイント上回った。また、産業別では、「金融・保険業」が44.4%で最高だった一方、最低は「サービス業他」の19.8%だった。
 企業価値担保権の活用について、「理解を深めてから判断したい」が69.6%で最も多かった。また、「活用したくない」は16.2%で、「活用したい」の13.4%を2.8ポイント上回り、制度活用への心理的なハードルは高そうだ。
 企業価値担保権は、金融機関が担保や保証に依存した貸出から脱却し、事業の将来性に基づく融資を後押しする新しい制度だ。これを推進するには、金融機関は情報分析力と「目利き力」が、企業は将来への事業展開の具体的な計画が求められる。まず、実績積み上げへの一歩が重要だ。
※本調査は、2026年7月31日~8月11日までインターネットを通じて実施しているアンケートのうち、有効回答5,819社を集計・分析した。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。


Q1. 5月25日に「企業価値担保権」の運用が開始されました。事業の将来性に基づく融資を後押しする新しい仕組みです。企業価値担保権を知っていますか?(単一回答)
企業価値担保権を「知らない」が4社に3社
 企業価値担保権を知っているか聞いた。5,819社から回答を得た。
 多数を占めたのは、「(企業価値担保権を)知らない」の76.7%(5,819社中、4,468社)だった。一方、「(企業価値担保権を)知っている」は大企業が34.8%(448社中、156社)に対し、中小企業は22.2%(5,371社中、1,195社)で、12.6ポイントの差が出た。
 金融機関からの情報提供が少ないほか、中小企業は大企業より専門人材が乏しく、法改正への情報収集に手が回りにくい可能性がある。



産業別 金融・保険業が認知率トップ
 Q1の回答を産業別に分析した。「(企業価値担保権を)知っている」との回答率では、最高が「金融・保険業」の44.4%(63社中、28社)だった。
 次いで、「運輸業」が27.1%(232社中、63社)、「製造業」が25.2%(1,356社中、343社)、「卸売業」が24.9%(1,037社中、259社)の順。
 一方、「(企業価値担保権を)知らない」との回答率は、最高が「小売業」の80.6%(310社中、250社)。次いで、「サービス業他」の80.1%(1,320社中、1,058社)、「情報通信業」の79.3%(344社中、273社)と続く。
 全産業平均の認知度は23.2%にとどまり、金融・保険業以外の産業にも認知を高めていく必要がありそうだ。



Q2. 「企業価値担保権」を活用したいと思いますか?(単一回答)
「理解を深めてから判断したい」が約7割
 企業価値担保権の活用意欲について聞いた。最も回答が多かったのは「理解を深めてから判断したい」の69.6%(1,207社中、841社)で、様子見の姿勢が顕著だった。
 次いで、「活用したくない」が16.2%(196社)、「活用したい」が13.4%(162社)で、「活用したくない」が「活用したい」を2.8ポイント上回った。
 規模別は、中小企業は「活用したい」が14.0%(1,076社中、151社)に対し、大企業は8.4%(131社中、11社)にとどまり、中小企業が大企業を5.6ポイント上回った。不動産などの有形資産に乏しい中小企業が、企業価値担保権を前向きに捉えやすいことを示している。


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