• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2026年上半期「ゼロゼロ融資」利用後の倒産157件 コスト高の影響で「飲食店」が最多、累計は2,383件

~ 2026年上半期(1-6月)「ゼロゼロ融資」利用後の倒産動向 ~


 2026年上半期(1-6月)の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」利用後の倒産は157件(前年同期比25.9%減)で、2年連続で前年同期を下回った。上半期に200件を下回ったのは、2022年同期以来、4年ぶり。
 6月単月は20件(前年同月比48.7%減)と前年同月から半減し、6カ月連続で前年同月を下回った。 
 円安に伴う物価高や人手不足、米国とイスラエルのイラン攻撃による中東情勢の悪化など、企業環境は不透明感が増している。借換保証の返済開始がピークを迎えたが、償還できず、リスケや借換で先送りしている企業も少なくない。だが、金利上昇の局面で、金融機関の姿勢に変化の兆しもあり、動向が注目される。

 産業別では、宿泊業や飲食業を含む「サービス業他」が51件(前年同期比17.7%減)で最多。次いで、製造業28件、卸売業22件、建設業21件と続く。
 業種別(中分類)では、最多は飲食店の20件(同13.0%減)だった。人件費、原材料費、エネルギー価格が上昇するなか、価格転嫁が進まず資金繰りが厳しい飲食店の増加を示している。
 業績回復が進まない企業に対し、金融機関は返済猶予(リスケ)や、自行内の複数借入を一本化し、借入返済の負担を軽減する動きもあるが、新規貸出には厳しい対応も聞かれる。
 日銀は6月、金融政策決定会合で政策金利を1%程度へ引き上げた。経営改善が遅れた企業は金利負担が重くなるだけに、返済原資を確保できない企業は事業継続の可能性を真剣に見直さなければならない時期に差し掛かっている。
 なお、ゼロゼロ融資利用後の倒産は、最初に発生した2020年7月からの累計が2,383件に達した。
※ 本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の利用が判明した倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

3

  • TSRデータインサイト

米穀卸、令和のコメ騒動で25年度の業績急伸 ~ 26年度はコメ価格下落で暗転へ ~

コメ価格の急騰や品不足で市場が混乱した「令和のコメ騒動」が過ぎ去った。コメを供給してきた米穀(米麦)卸売業は4期前と比べて売上高が約2倍、利益(最終利益)は4.5倍と、業績が急拡大したことが東京商工リサーチ(TSR)の調査でわかった。

4

  • TSRデータインサイト

「お弁当屋さん」の倒産、2年連続で過去最多へ ~ コメ価格下落と消費税引き下げもコスト高 ~

「お弁当屋さん」の倒産が急増している。2026年は8月までに83件に達し、これまで最多の2025年(1-12月)の89件超えが確実だ。コメ価格下落の兆しがみえ、食品の消費税率引き下げも控える。だが、肉や野菜などの食材や包装資材、電気・ガス料金の値上がり幅は大きく、経営の重しとなっている

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

TOPへ