• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

【速報】2026年上半期「焼肉店」倒産 2年連続で最多を更新  米価下落も食肉高騰、人件費上昇で小・零細店舗が苦境

~ 2026年上半期「焼肉店」倒産動向 ~


 国民食のラーメン店に続き、人気の「焼肉店」も2026年上半期(1-6月)の倒産が、過去最多を更新した。上昇をたどった「コメ」価格は下がってきたが、輸入牛肉や豚肉などの価格が高騰。ガス代や電気代、人件費などの運営コストも上昇し、「焼肉店」は価格と肉質、サービスの差別化で生き残り競争の時代に突入している。

 「焼肉店」の2026年上半期(1-6月)の倒産(速報ベース)は26件(前年同期8.3%増)で、2年連続で最多件数を更新した。
 特に、「焼肉店」倒産は、26件すべて負債5,000万円未満だったのが特徴だ。インバウンド需要で飲食業界は盛り上がりもみえるが、その恩恵が届きにくい小・零細規模の店舗で淘汰が加速している。
 
 2026年上半期(1-6月)の「焼肉店」倒産(負債1,000万円以上)は、26件(前年同期比8.3%増)だった。従業員数10名未満、そして資本金1千万円未満(個人企業含む)が、それぞれ25件(構成比96.1%)と小規模店が9割超を占めた。また、負債総額別も26件すべてが負債5,000万円未満で、資金力のある大手・中堅と小規模の二極化が進んでいる。

 原因別では、販売不振が23件(同88.4%)と約9割が売上低迷が倒産原因だった。
 コロナ禍は、飲食業界が直撃を受けるなか、他の飲食店にない高い換気能力と「ひとり焼肉」ブームで、集客ダウンを最小限に抑えて飲食業界では勝ち組の筆頭だった。だが、好調な時期は長く続かず、他業態の飲食店が焼肉店に相次いで参入し、競争が一気に激化した。
 大手参入組は焼肉店への出店を加速し、低価格や食べ放題を前面に打ち出し、希少部位などでも差別化を図っている。一方、小・零細規模の店舗は、食材の仕入れ価格が高騰に加え、電気代などの運営コストも高止まりし、人手不足は深刻さを増している。物価高とはいえ安易な値上げは客離れに直結する板挟みで、業績悪化に陥る店舗も少なくない。
 都内で2,030円の焼肉ランチを食べた男性は、「量が少なく、肉質も以前より劣っているように感じる。次はないと思う」と語った。ラーメン店と同様に、価格に見合う味、サービスを提供し、顧客満足度を上げられるか。宅配にない魅力を生かせるか。焼肉店の生き残り競争は続く。

※ 本調査は、日本産業分類(細分類)の「焼肉店」を抽出し、統計開始の2009年から2026年までの上半期(1-6月)倒産を集計、分析した。

焼肉店の倒産件数(年次推移)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

三井住友銀行の「メインバンク取引社数」増加 ~ メガバンクで唯一増加、新設・中小企業向け脚光 ~

東京商工リサーチ(TSR)がまとめた「2026年メインバンク調査」で、三井住友銀行がメガバンクで唯一、社数が増加した。他に先駆けてデジタル総合金融サービスをリリースし、取引社数の増加につなげた。

2

  • TSRデータインサイト

「テレビ番組制作会社」の倒産 過去最多タイ コスト上昇と番組制作の予算削減で苦境

2026年1-8月のテレビ番組制作会社の倒産は14件で、同期間では最多の2010年に並んだ。このペースで推移すると、年間では2009年と2012年の21件を抜き、過去最多を更新する可能性が高まっている。

3

  • TSRデータインサイト

「一人で悩まず、まずは早めの相談を」 ~ 中小企業活性化全国本部 インタビュー ~

中小企業の伴走者として、中小企業活性化協議会の存在感が高まっている。 東京商工リサーチは、全国47都道府県の活性協を支援する中小企業活性化全国本部にインタビュー。再生支援の現場経験も豊富な松田正義氏、佐藤友泰氏、茂木俊裕氏の3名から話を聞いた

4

  • TSRデータインサイト

2026年1-8月の「税金滞納」倒産181件、前年超える 税金滞納が事業再建の障壁、破産が97.7%を占める

2026年8月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、26件(前年同月比73.3%増)と大幅に増加、4月から5カ月連続で前年同月を上回った。1-8月累計は181件(前年同期比58.7%増)に達し、8月で前年の年間160件を上回り、納税(納付)に苦慮する企業が多いことを示している。

5

  • TSRデータインサイト

倒産前の「事業譲渡」 コロナ後に高水準 2025年度は213件、旅館,ホテルが最多

主力事業を他社に譲渡した後、倒産手続きに入る「事業譲渡後の倒産」が、2025年度は213件発生した。2024年度は227件で、2年間の平均は220件となり、前回調査(2019年度-2023年度)の同189件を上回り、増勢が続いていることがわかった。

TOPへ