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「宅配飲食サービス業」 コロナ禍から4期連続増収 物価高で減益鮮明、消費税1%の影響は流動的

~ 2026年の「宅配飲食サービス業」業績動向調査 ~


 コロナ特需で急成長したデリバリー、給食サービス事業など、宅配飲食サービス業に変化の兆しが見え始めた。
 7期連続で売上比較が可能な127社の2025年売上高合計は、1兆1,408億円(前期比3.9%増)で、4期連続で増収だった。一方、利益は207億円(同23.0%減)で大幅減益となった。
 マーケットは堅調に拡大をたどるが、コスト増などでかさ上げされた側面もうかがえ、増収減益と潮目が変わりつつある。
 2026年1-5月の宅配飲食サービス業の倒産(負債1,000万円以上)は24件(前年同期比11.1%減)で、前年同期を1割下回っている。2025年(1-12月)はコロナ禍以降、最多を記録した2023年の67件に次ぐ、63件だった。2026年は微減ペースで推移しているが、ブームの終焉と物価高が止まっていない。
 加えて、政府は食料品を対象にした消費税減税を、2027年4月から2年間限定で1%に引き下げる方向を示している。宅配飲食サービス業は8%の軽減税率の対象だが、消費減税の影響がどう出るか注目される。


 大手デリバリー「出前館」は2026年3月、手数料を自社で負担し、料理価格を店頭と同額で提供するサービスを全国で始めた。宅配価格は店頭価格に配達手数料を一定程度上乗せするケースが多く、事実上の値下げとなった。同社によると、対象店舗のオーダー数は以前と比べて平均2.9倍になったという。店頭価格と同額にすることで、消費者の消費行動に影響を与えた格好だ。
 だが、物価高による買い控えや原材料の高騰など逆風が吹くなか、飲食店は一定程度の手数料をデリバリー代として支払っている。さらに、消費税8%が1%に引き下げられた場合、1%の対象となるか、特需が起きるか、飲食店側がデリバリー代行を止めるか、まだ先は不透明だ。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、2025年の業績(2025年1月~2025年12月期)を最新期とし、7期連続で業績が判明した127社を抽出、分析した。


宅配飲食サービス業 売上高は4期連続で成長

 全国の宅配飲食サービス業の売上高合計は1兆1,408億円(前年比3.9%増)で、4期連続で拡大した。コロナ禍前の2019年と2025年を比較すると26.7%伸びている。一方で、利益合計は207億円(同23.0%減)の減益で、2019年と比べると11.4%の減少となった。
 コロナ禍で脚光を浴びた業界で、これまで成長トレンドを維持してきたが、物価高と人手不足で成長路線に急ブレーキがかかった格好だ。売上を伸ばすか、収益確保に動くか、資金力の差が一気に経営を左右する時期を迎えている。

宅配飲食サービス業の業績推移

宅配飲食サービス業、10億円未満が半数

 宅配飲食サービス業の売上高分布は、最多が売上高10億円以上50億円未満で35社(構成比27.5%)。次いで、同1億円以上5億円未満の31社(同24.4%)、同5億円以上10億円未満の22社(同17.3%)と続く。10億円未満が半数(同55.1%)を占める。
 売上高伸長率は、トップが0~5%未満の39社(構成比30.7%)。以下、10~100%未満が26社(同20.4%)、5~10%未満が24社(同18.8%)の順で、売上高を大幅に増やす企業も目立った。
 市場が拡大するなか、増収が83社(同65.3%)と半数以上を占め、減収は38社(同29.9%)だった。

宅配飲食サービス業 売上高伸長率別

黒字企業が8割で収益改善が進む

 損益別では、黒字が99社(構成比77.9%)で約8割となった。
 前期との比較では、増益が78社(同61.4%)、減益が44社(同34.6%)で2024年の増益が5割という状態から収益改善が進んでいる。
 市場の拡大に伴い収益も順調に推移しており、コロナ禍で特需となった後も市場を維持している。

東京・大阪に集中

 宅配飲食サービス業の所在地を分析した。都道府県別では東京都が26社(構成比20.4%)でトップ。次いで、大阪府の13社(同10.2%)、北海道の8社(同6.3%)と続く。東京都と大阪府で構成比が30.7%となり企業が集中している。 
 地区別では関東に集中しており、関東の構成比は38.5%となった。関東の企業の75.5%が増収となっており、業界全体の増収をけん引している。

宅配飲食サービス業の倒産 高止まり

 宅配飲食サービス業の倒産(負債1,000万円以上)は、2026年1-5月は24件(前年同期27件)だった。前年同期を下回ってはいるが、倒産は高水準の状態が続いている。年間倒産は、2023年は67件と前年からほぼ倍増し、その後も高止まりが続いている。
 原因別は「販売不振」が15件で最多。「事業上の失敗」が4件、他社倒産の余波が3件と続く。「販売不振」と「赤字累積」を合わせた「不況型倒産」は16件(構成比66.6%)で、前年同期から2割(23.8%)減少した。

宅配飲食サービス業の倒産 件数推移



 宅配飲食サービス業は特需を迎えたコロナ禍を経て、売上が根付き市場は拡大している。一方で物価高などの影響を受けて利益面では前年を割りこんだ。今後も物価高は続く見通しで利益の圧迫が予想される。また、消費税減税の軽減税率の対象となるかは最大の焦点になるだろう。対象とならなかった場合、買い控えが起こる可能性があり市場の縮小を招く。市況に影響されない経営をする必要があり、そのための準備が必要だ。外部環境に影響されない企業活動をしていくことが求められる。

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