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中東情勢で「現在または今後の資金繰りに悪影響」6割超 中小企業は人材採用延期・中止の傾向鮮明に

~2026年6月 「中東情勢(資金繰り動向)」に関するアンケート調査 ~
 米国とイスラエルによるイラン攻撃の混迷が長引き、原油や化学製品基礎原料のナフサなどの供給不足から、価格上昇や資材不足が起きている。幅広い産業で企業への影響が広がるなか、東京商工リサーチ(TSR)は6月1日~8日、企業の資金繰りへの影響を、アンケート調査を実施した。
 中東情勢の資金繰りへの影響について、「大いに与えている」が8.0%、「少し与えている」が13.2%で、合計21.2%の企業が、すでに資金繰りに影響を受けていることがわかった。
 また、 「現状は資金繰りに影響を与えていないが、今後与えそうだ」は40.5%に達した。中東情勢の悪化が長引くと、中小企業を中心に、資金繰りへの影響が危惧される状況になってきた。
 
 規模別は、「(現在)資金繰りに影響を与えている」は、大企業が10.0%(507社中、51社)に対し、中小企業は22.0%(6,776社中、1,495社)で、中小企業が12.0ポイント上回った。
 資金繰り対策は、「新規借入をした」が29.3%(2,695社中、792社)で最も多かった。資金繰りを手当てする企業がある一方で、中小企業では人材採用に慎重になる傾向が際立った。「予定していた人材採用を延期・中止した」と回答したのは、中小企業が15.0%(2,572社中、386社)、大企業は4.8%(123社中、6社)で、中小企業が10.2ポイント大企業を上回った。
 ただ、「対策をしていない」、「今後検討する」など、判断を先送りする企業もあり、企業によって対応はまだら模様をみせている。
※本調査は、2026年6月1日~8日までインターネットを通じて実施しているアンケートのうち、有効回答7,283社を集計・分析した。
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。



Q1. 今回の紛争は貴社の資金繰りに悪影響を与えていますか?(複数回答) 
「現状は与えていないが、今後与えそうだ」が4割
 中東情勢の悪化が、企業の資金繰りに悪影響を与えているか聞いた。7,283社から回答を得た。
 最多は、「現状は(資金繰りに影響は)与えていないが、今後与えそうだ」の40.5%(7,283社中、2,955社)。次いで、「現状は与えておらず、今後も与えないだろう」の38.2%(2,782社)、「少し与えている」の13.2%(962社)の順。
 「大いに与えている」、「少し与えている」は合計21.2%で、現時点の影響は限定的なようだ。
 規模別では、「大いに与えている」は中小企業が8.4%(6,776社中、569社)、大企業が2.9%(507社中、15社)。また、「少し与えている」は、中小企業が13.6%(926社)、大企業が7.1%(36社)で、中小企業ほど資金繰りに影響を受けている。



産業別 「農・林・漁・鉱業」、「製造業」などで資金繰りへの懸念根深く
 Q1の回答を産業別に分析した。「資金繰りに影響を与えている」(大いに与えている+少し与えている)との回答率では、最高が「農・林・漁・鉱業」の28.8%(59社中、17社)だった。
 次いで、「製造業」26.9%(1,709社中、461社)、「小売業」(414社中、108社)、「運輸業」(280社中、73社)がそれぞれ26.0%だった。
 一方、「現状は与えておらず、今後も与えないだろう」は、最高が「金融・保険業」の65.9%(88社中、58社)。次いで、「情報通信業」64.9%(417社中、271社)、と続く。最低は「農・林・漁・鉱業」の27.1%(59社中、16社)。
 原油価格の高騰や、ナフサなど化学製品基礎原料の調達難が直結する業種で、資金繰り悪化への懸念が高い。




Q2. 「大いに与えている」「少し与えている」「現状は与えていないが、今後与えそうだ」と回答した方に伺います。どのように資金手当てをしましたか?(複数回答) 
「新規借入をした」が約3割
 中東情勢の悪化が資金繰りに影響を与えていると回答した企業にどのような対策をしたかを聞いた。2,695社から回答を得た。
 回答率では「新規借入をした」が29.3%(2,695社中、792社)、「予定していた人材採用を延期・中止した」が14.5%(392社)、「賞与や給与の一部カットした」が10.4%(281社)だった。
また、「既存借入の条件変更をした」8.0%(216社)で、深刻な影響が出始めている企業もある。
 「その他」では、「価格改定の交渉をしている」や、「設備投資の延期」、「今後対策を検討する」などの回答が目立った。中東情勢の先行きが見通せず、様子見の企業も少なくない。

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