• TSRデータインサイト

エステサロン、倒産が今年もハイペース ~1-4月は過去最多、高額契約は慎重に~

 全身美容や脱毛などエステ・脱毛サロンの倒産が止まらない。2026年は4月までに35件に達し、同期間で過去最多だった2025年の31件を上回った。
 SNSの普及に伴い、美意識の向上やコンプレックス解消などで自己投資に注目が集まっている。こうしたニーズを取り込みエステ人気が高まっているが、2025年には契約者数が120万人を超える大型倒産も発生した。
 エステサロンの倒産では、高額な前払金が返金されず、サービスを受けられないままクレジット代金だけが請求される事態も相次いでいる。社会問題にも発展しており、注意が必要だ。



 エステ・脱毛サロン(エステティック業)の倒産(負債1千万円以上、医療脱毛除く)を集計した。
 2026年1-4月の累計は35件に達し、同期間では2024年の29件、2025年の31件を抜き、過去最多ペースで推移している。
 年上半期(1-6月)は、2024年と2025年の各49件が最多だが、このペースをたどると2026年の上半期は50件を初めて超える勢いだ。

エステティック業の倒産推移

大型倒産で個人客が被害

 エステ・脱毛サロンの倒産では、多くの個人客が巻き込まれている。
 2023年12月、負債約58億円を抱えて破産した「銀座カラー」の運営会社、(株)エム・シーネットワークスジャパンの債権者数は約10万人だった。また、2025年8月に破産した「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)では、債権者数は120万人を超え、負債は260億円に達した。

契約は一度立ち止り、しっかり確認を

 エステサロン倒産で個人客が債権者になるのは、施術費用を前払いで支払うためだ。
 利用者は、信販会社やクレジット会社とローン契約を結び、信販会社などがエステサロンに立て替え払いをする。このためエステサロン会社が倒産した後も、請求が届く場合もある。支払いを止めるには、信販会社などとの交渉が必要で、二重、三重の労力を要する。
 広告でよく見かけるから安心、という訳にいかないのが世の中だ。悔やまないためには、契約前に施術内容だけでなく、倒産などで施術を受けられなくなった場合の支払い、返金についても確認することが大切だ。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年6月1日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の秀和グループ、9億円の債務超過

6月17日に東京地裁から破産開始決定を受けた(株)秀和グループ(TSRコード:027747050、江東区)の財務内容が一部判明した。

2

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

3

  • TSRデータインサイト

倒産データからみる「倒産が多い住所」 ~ 一等地のイメージと与信リスク ~

「倒産が多発する住所」は、現代のビジネスモデルの結果だ。ネット全盛期のいま、企業の実体が見えにくいのは普通なのかも知れない。だが、そんな風潮のなか、登記上住所の一等地に惑わされず経営実体をいかに見極めるか。ここでもまた、外形に惑わされない“目利き力”が問われている

4

  • TSRデータインサイト

【2026年3月期決算】役員報酬額1億円以上の開示 過去最多の934人に 社数も387社で最多を更新 上位5人中、外国人4人

2026年3月期決算の上場企業2,198社のうち6月26日12時までに有価証券報告書の提出を確認できたのは9割(90.7%)の1,995社だった。例年と異なり株主総会前に有価証券報告書を提出する上場企業が増えた。報酬額1億円以上の役員を開示した企業は387社、人数は934人で前年の364社・887人を上回った

5

  • TSRデータインサイト

環境経営総合研究所の「粉飾の手口」

(株)環境経営総合研究所(TSRコード: 294046615、渋谷区、以下ERI)が3月26日、東京地裁から破産開始決定を受けた。東京商工リサーチ(TSR)が独自入手した資料や関係者が「実際の売上は100分の1程度」と語る粉飾の実態がみえてきた。

TOPへ