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2026年3月期「不良債権比率」 1.07%に低下 貸倒引当金は2年連続減、5年ぶりの3兆円台

~ 国内103銀行 2026年3月期「金融再生法開示債権」調査 ~


 2026年3月期(単体)の国内銀行103行の不良債権(以下、開示債権)は、8兆3,186億円(前年比0.1%増)で、2年ぶりに前年を上回った。
 債権合計に対する開示債権比率は1.07%(中央値1.58%)で、前年の1.14%から0.07ポイント低下した。これは貸出金(前年比6.1%増)などの増加が要因で、3月期では2010年以降で最低を記録した。
 倒産などで債権回収の不能に備えた「貸倒引当金」は、3兆9,029億円(同3.1%減)だった。国内銀行の半数を超える55行で減少し、3月期では2年連続で減少した。
 2026年2月、米国とイスラエルによるイラン攻撃で中東情勢が不透明感を増すなか、原油高騰だけでなく、ナフサなどの供給に支障が出ている。様々な業種に影響が及んでおり、不良債権の動向には注目を怠れない。

 国内103行のうち、開示債権が前年を下回ったのは55行(構成比53.3%)。貸倒引当金の減少も55行で、それぞれ半数を超えた。物価高や業績不振から借入返済に支障を来たし、繰り返しの返済猶予(リスケ)で凌ぐ企業は少なくない。
 5月25日、企業価値担保権が開始され、12月には早期事業再生法も施行される。主力行の役割が重くなるなか、フォワードルッキングの視点から貸倒引当金を保守的に積み増す可能性もある。
 今後、企業の事業再生が期待されるが、対象から外れる企業への配慮も必要になっている。
※本調査は、国内103銀行の2026年3月期決算(単独)で、「金融再生法開示債権」(破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権)、および各銀行の「貸倒引当金」を集計し、分析した。
※銀行法の改正により2022年3月期から貸出金のほか、外国為替、未収利息、仮払金、支払承諾見返などを対象に、リスク管理債権が金融再生法開示債権に一本化された。
※1.大手行は埼玉りそなを含む7行、2.地方銀行は全国地銀協加盟行61行、3.第二地銀は第二地銀協加盟行35行。


不良債権が2年ぶり増加、開示債権比率は2年連続で低下

 国内103行の2026年3月期の開示債権は、8兆3,186億円(前年比0.1%増)で2年ぶりに増加した。コロナ禍の資金繰り支援だったゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)の利子補給期間中の2024年3月期(9兆4,565億円)と比べ、1割超(12.0%減)減少した。
 業態別では、大手行2兆9,676億円(前年比2.7%増)、第二地銀1兆1,708億円(同1.0%増)と増加した一方、地方銀行は4兆1,800億円(同1.9%減)と減少した。
 103行の「開示債権比率(金融再生法開示債権/債権合計)」は1.07%(前年1.14%)で、大手行が0.68%(同0.72%)、地方銀行が1.47%(同1.56%)、第二地銀が1.96%(同2.01%)と、すべての業態で低下した。
 開示債権比率の最大は、スルガ銀行の6.29%(前年8.56%)。以下、きらやか銀行5.94%(同5.82%)、豊和銀行5.38%(同5.45%)の順。最低はSBI新生銀行の0.22%(同0.27%)。金融再生法開示債権比率が5%以上は3行(同4行)で、1%未満は10行(同9行)だった。

金融再生開示債権・同比率推移

貸出金718兆3,011億円、全業態で過去最高

 2026年3月期の「貸出金」は、718兆3,011億円(前年比6.1%増)で、初めて700兆円台に乗せた。大手行379兆5,533億円(同7.7%増)、地方銀行279兆8,662億円(同4.5%増)、第二地銀58兆8,816億円(同3.7%増)と、すべての業態で過去最高になった。
 貸出金を伸ばしたのは、大手行7行すべて(前年4行)、地方銀行58行(同55行)、第二地銀32行(同29行)の合計97行(同88行)だった。

貸出金・増減行数推移

貸倒引当金は2年連続で減少、減少行は55行

 2026年3月期の「貸倒引当金」は3兆9,029億円(前年比3.1%減)で、2年連続で減少した。3月期で貸倒引当金が3兆円台にとどまるのは、コロナ禍で資金繰り支援が浸透した2021年3月期(3兆6,450億円)以来、5年ぶり。
 貸倒引当金の増加は、大手行1行(前年2行)、地方銀行29行(同31行)、第二地銀18行(同10行)の合計48行(構成比46.6%、前年43行)で、半数に届かなかった。

貸倒引当金・増減行数推移

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