• TSRデータインサイト

2025年度の「人手不足」倒産 過去最多の442件 人件費高騰が1.7倍増、労働集約型で深刻さを増す

~ 2025年度(4-3月)の「人手不足」関連倒産動向 ~


 2025年度(4-3月)の「人手不足」倒産が、442件(前年度比43.0%増)と過去最多を記録した。
 賃上げが資金繰りの負担になった「人件費高騰」が195件(同77.2%増)、従業員の退職で業務に支障を来たした「従業員退職」が108件(同40.2%増)など、いずれも大幅に増え、過去最多を更新した。
 物価高、人件費の上昇などで収益が落ち込み、大手と中小企業の賃金格差が拡大している。利益償還できず、収益で賃上げ原資を確保できない企業は、従業員の安定雇用にも影響が広がる実態を示している。

 2025年度の「人手不足」倒産は、飲食業64件(前年度比178.2%増)、医療,福祉事業53件(同76.6%増)を含むサービス業他が170件(同73.4%増)と突出している。また、建設業93件(同8.1%増)、運輸業70件(同11.1%増)と、労働集約型で人手不足が深刻さを増している。
 原材料からエネルギーまで幅広く値上げ続くなか、価格転嫁が遅れた企業は賃上げ原資の捻出に苦労している。採用や従業員の退職防止には賃上げが避けられず、賃上げできない企業は人材流出が進み、経営悪化に陥る悪循環に陥っている。
※本調査は、2025年度(4-3月)の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析した。(注・後継者難は対象から除く)

「人手不足」関連倒産推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ