• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2025年度の「ラーメン店」倒産 過去2番目の57件 負債1億円以上が増加、効率化と付加価値が課題に 

~ 2025年度「ラーメン店」倒産動向 ~
 2025年度(4‐3月)の「ラーメン店」倒産は57件(前年度比21.2%増)だった。集計可能な2009年度以降では、過去最多を記録した2023年度の63件に次ぐ、2番目の高水準だった。
 負債総額は40億6,100万円(同96.7%増)で、2年ぶりに増加にした。負債1億円以上の倒産が10件(同25.0%増)と2024年度の8件を超え、2年連続で最多を更新した。
 これまで小・零細規模のラーメン店の倒産が主体だったが、2025年度は中堅規模にも淘汰の波が広がった。
また、「人手不足」倒産も過去最多の8件(同166.6%増)と2.6倍に増えた。内訳は、「求人難」4件(前年度1件)、「人件費高騰」が3件(前年度ゼロ)。
 原材料や人件費、光熱費などの物価高が、ラーメン店に重くのしかかっている。“1000円の壁”を突き抜け、値上げするラーメン店も増えたが、消費者の“味“と”納得感“に対する目はより厳しさを増している。


 原因別は、最多が販売不振の46件(前年度比21.0%増)で8割(80.7%)を占めた。このほか、既往のシワ寄せ(同50.0%増)と、事業上の失敗(前年度同数)がそれぞれ3件発生した。
 資本金別は、1千万円未満が49件(同11.3%増)で、85.9%が小・零細な店舗だった。ただ、構成比は前年度の93.6%から7.7ポイント低下し、徐々に中堅のラーメン店にも広がりつつある。
 形態別は、破産が54件(同14.8%増)と全体の94.7%を占めた。このほか、民事再生法が2件、特別清算が1件発生した。
 地区別は、関東が25件(同13.6%増)で最多。次いで、中部が9件(同80.0%増)、近畿が8件(同11.1%減)と続き、競争の激しい都市部で倒産が目立った。
 
 ラーメン店は参入障壁が低く、牛丼店を運営する大手外食チェーンがラーメン事業を強化するなど、ラーメン店の市場環境は厳しさを増している。さらに、物価高や人件費の高騰、人手不足などが採算悪化に拍車をかけ、コスト増に見合う価格転嫁(値上げ)も避けられなくなっている。
 ラーメン店は「味の追及」と「高効率の経営」の両立を求められ、職人の感覚だけで生き残れる時代ではなくなってきた。人手不足も深刻化し、キャッシュレス券売機、セントラルキッチンなどの効率化も避けられず、集客と付加価値の創造ができないラーメン店の淘汰は続きそうだ。
※本調査は、日本産業分類(細分類)の「ラーメン店」を抽出し、2009年から2025年までの倒産を集計、分析した。


Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ