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9月中間期の銀行利回り 10年間で最高の0.22%に 預金の金利引き上げ一巡、「逆ざや」は5行に半減

~ 2025年9月中間期 国内銀行104行「総資金利ざや」調査 ~


 2025年9月中間期の国内104銀行の貸出や運用による利息などの収益を示す「総資金利ざや(中央値)」は、0.22%(前年同期0.17%)だった。9月中間期では、マイナス金利が始まった2016年からの10年間で、2022年の0.20%を抜いて最高を更新したことがわかった。
 「資金調達原価率(中央値)」は0.89%(同0.71%)に上昇したが、「資金運用利回り(中央値)」も貸出金利の引き上げなどで1.14%(同0.89%)に上昇し、総資金利ざやを押し上げた。
 2024年3月、日本銀行はマイナス金利を解除したが、銀行は解除前から貸出金利の引き上げに動き、その後、預金金利を引き上げた。当初、総資金利ざやの上昇は鈍かったが、2025年9月中間期は上昇に転じた。

 「総資金利ざや」は、資金運用利回りと資金調達原価率の差を示す。2025年9月中間期に資金運用利回りが資金調達原価率を下回った「逆ざや」は、5行(前年同期10行)と半減した。
 9月中間期の「資金運用利回り」は2020年から1.00%を下回ったが、2025年は6年ぶりに1.00%を超えた。比較可能な102行(青森みちのく銀行、あいち銀行を除く)のうち、長野銀行を除く101行(前年同期71行)で上昇した。一方、「資金調達原価率(中央値)」は預金金利の引き上げによる調達コストの上昇で3年連続で前年同期を上回り、102行すべてで上昇した。
※ 本調査は国内104銀行の2025年9月中間期決算で、「総資金利ざや」(国内業務部門)を調査、分析した。
※ 「総資金利ざや」は、「資金運用利回り」-「資金調達原価率」で算出され、収益を示す一つの指標。貸出金や有価証券の利息などを指す「資金運用利回り」が、人件費や資金調達に要したコストの「資金調達原価率」を下回ると、貸出や運用で利益が出ていない「逆ざや」となる。
※銀行業態は、1.埼玉りそなを含む大手行7行、2.地方銀行は全国地銀協加盟行、3.第二地銀は第二地銀協加盟行。

9月中間期 総資金利ざや「逆ざや」行数


「総資金利ざや」の中央値は0.22%に上昇

 104行の2025年9月中間期の「総資金利ざや(中央値)」は、0.22%(前年同期0.17%)で、2016年以降の9月中間期では、2022年の0.20%以来、3年ぶりに0.20%台に乗せた。
 2016年2月、日本銀行はマイナス金利を適用し、銀行の低金利での貸出競争が激化した。2016年9月中間期の「総資金利ざや」は、貸出競争を反映し、10年間で最低の0.12%を記録した。だが、2024年3月にマイナス金利政策が解除され「金利のある世界」が戻ると、銀行は貸出金利を引き上げ、2025年9月中間期の「資金運用利回り」は1.14%(前年同期0.89%)に上昇。2025年9月中間期の「総資金利ざや」も0.22%に大きく上昇した。
 2025年9月中間期で、前年同期と比較可能な102行(青森みちのく銀行、あいち銀行を除く)のうち、「総資金利ざや」が上昇したのは78行(構成比76.4%、前年同期44行)。内訳は、大手7行すべて(前年同期1行)、地方銀行54行(同24行)、第二地銀17行(同19行)だった。

9月中間期 資金運用利回り・総資金利ざや 中央値推移



 2024年3月のマイナス金利解除で、「金利のある世界」に戻った。
 銀行は、低金利貸出の根拠だった貸出金利をプライムレート(最優遇貸出金利)を基準とした設定から、全銀協TIBORレートに移行し、貸出金利の引き上げに動いている。
 日本銀行の「利率別貸出金残高」によると、貸出金利1.00%未満の貸出金の構成比は、2026年1月が34.6%で、2024年3月の71.0%から大幅に圧縮している。
 一方で、1.00%以上1.50%未満の構成比は、2024年3月の16.1%から、2026年1月は38.5%と、大幅に伸び、貸出金利の引き上げが鮮明になっている。
 102行のうち、2025年9月中間期に「資金運用利回り」が上昇したのは101行で、「総資金利ざや」は7割以上(構成比76.4%)の78行が前年同期を上回り、収益は改善してきている。ただ、過剰債務に陥り、改善が遅れた中小企業が多いなか、いかにリスクを取りながら事業再生などの支援に取り組むか、伴走支援する力のある銀行の見極めが始まっている。

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