再度の資金ショートの小野部製凾所、今後の方針を代表に聞く ~ 「事業を継続、スポンサー支援の模索で再起」の意向 ~
医薬品メーカー向け包装紙器製造などを手掛ける(株)小野部製凾所(千代田区)は1月5日、電子債権の決済で再度の資金ショートを起こし、取引先などが動向を注視している。
手形や小切手、電子債権の決済において、6カ月以内に2回不渡りが発生した場合、取引停止処分(支払不能処分)となり、手形交換所の加盟金融機関から2年間にわたり当座取引や貸出取引ができなくなる。
1月23日に東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じた小野部製凾所の代表は、法的整理などを視野に入れず、「事業を継続し、スポンサー支援の模索などで再起を図る」方針を示した。
取材に対して代表は、資金ショートの背景や今後の方針など明らかにした。また、「グループ化などを検討頂ける企業があれば、ぜひ連絡が欲しい」と述べ、スポンサーを広く募集する意向を示した。
小野部製凾所は1901年、製函業を目的に千代田区神田で創業した。現在の代表は創業の孫にあたり、3代目だ。小野部製凾所はスイスのロンド社とロンドレーション製造において技術提携するなどし、波型緩衝材の製造を強みとするほか、幅広い医療品メーカーなどに販路を有し、梱包紙器の製造などを手掛けてきた。現在、埼玉県の新座市に2つの工場を構え、製品は自社製造している。1990年8月期は売上高26億343万円をあげたが、近年の売上高は7~8億円台で推移している。
代表によると、コロナ禍以降、金融機関からの融資や国の補助金を利用し、古くなっていた工場設備を入れ替えていた。だが、設備更新は追加工事などで当初予定額を超過し、本業での仕入コストも物価高でかさんだ。エンドユーザーが大手の医療品メーカーが多いこともあり、価格転嫁が進まなかったという。その上で、資金ショートの理由について以下のように説明した。
「昨年5月実施の設備工事で1595万円の費用が生じた。電債払いとし、支払期日は12月1日だった。不渡りにならないように工場長を通じて1月5日に延長を要請し、工事業者側から承諾を得た。しかし、結果的に12月1日に取り立てに出され、1度目の不渡りが生じた。2度目の不渡りにならないように金融機関から資金調達を予定していたが、コミニケーション不足などで支払期日までに調達が叶わず、1月5日を期日とする17の手形のうち、1つの決済が出来なかった。」
代表は、今後も事業を継続するとし、「波型緩衝材は製造出来る会社が少なく、ユーザーの迷惑にもなるため、今後いずれかの会社の傘下に入って事業を継続したい。グループ化などを検討して頂ける企業があれば、ぜひ連絡が欲しい」と強調した。

小野部製凾所の入居ビル(1月16日TSR撮影)
※(株)小野部製凾所(TSRコード:290026466、法人番号:7010001012805、千代田区神田紺屋町45、設立1948(昭和23)年9月3日、資本金8100万円)
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2026年1月29日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)