「金利のある世界」で加速する倒産の日常化 ~ 2年連続で倒産1万件超、試される「変化する勇気」 ~
2014~23年までの10年間、企業倒産は1万件を下回り、コロナ禍の21年は資金繰り支援で6,030件と歴史的な低水準を記録した。「倒産」の非日常化が続いたが、24年は11年ぶりに1万件を超え、25年はさらに増勢を強めた。「焼肉店」、「経営コンサル」、「訪問介護」など、過去最多を更新する業種も相次ぐ。
倒産、休廃業が日常化し、2026年は意識の変革が求められる。
相次ぐ過去最多
2025年の倒産は、2年連続で1万件を上回る見込みで、21年(6,030件)から7割程度増えそうだ。人手不足や価格転嫁に対応できた企業は賃上げも進み、会社業績も好調だ。一方で、対応できなかった企業は悪循環に陥り、倒産するケースが多い。
2025年1-11月で統計開始以来 、年間最多を抜いた業種も少なくない。
「経営コンサルタント」は159件で、2024年通年の154件を超えた。経営のプロでも、高度な専門性と競争から脱落が出てきた。
「訪問介護事業」も11月までに最多の85件を数える。コロナ禍のダメージと物価高に晒され、介護報酬のマイナス改定で収入が落ち込んだが、公定価格のため価格転嫁もままならなかった。
「焼肉店」の倒産も過去最多を更新した。2025年は11月までに51件で、コロナ禍は換気能力の高さでお客を呼び込み倒産が減少したが、大手の相次ぐ参入と輸入牛肉の価格高騰が追い打ちをかけた。
「スイーツ店(菓子小売業)」も時代の変化が激しかった。11月までに46件に達し、最多を突破した。食材価格の高騰に値上げで対応したが、見た目や味の向上を伴わない高級化が客離れを誘った。また、新たな競合にコンビニの冷凍スイーツが出現し、26年も厳しさが続きそうだ。
「スポーツ教室(スポーツ教授業)」も過去最多だった。人件費や運営費の上昇、オンライン指導も広がり、2025年(11月まで)は36件と2022、23年の20件を上回った。
「調剤薬局」は、11月までで35件だった。これまで最多の24年(28件)を上回った。大型再編が続く業界だが、小規模の薬局では薬剤師不足も深刻だ。ドラッグストアや小売大手との競争も激しい。

“金利のある世界”に突入し、2026年の中小企業はさらに厳しさが増すだろう。時代の変化が早まり、対応が一歩遅れるだけで大ダメージを受けかねない。
各業界の「倒産最多」は、変化に対応できない企業、個人への警鐘でもある。