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社長の「輩出率」徳島県が8年連続トップ、「地元率」トップは12年連続で沖縄県

2025年全国「社長の輩出率・地元率」調査

 人口からみた社長を多く輩出している都道府県は、徳島県が1.34%で8年連続でトップだった。阿波商人の気質を受け継ぐ県民性に加え、近畿圏との活発な経済交流が背景にあるようだ。
 2位は山形県1.12%、3位は香川県1.06%、4位は秋田県1.01%、5位は愛媛県0.98%で、10位内に四国から3県が入ったが、高知県も11位に入り、四国4県が上位に並んだ。
 また、社長の出身地と本社地が同じ都道府県の「地元率」は、沖縄県が92.1%で唯一、90%を超えた。調査を開始以来、12年連続トップだった。地理的な要因に加え、経済の中核である観光、公共事業、基地関連の産業がすそ野を広げ、“地元起業”につながっているようだ。
 一方で、社長の「地元率」が低い奈良県や長崎県は、他県出身者を惹きつける魅力や親族以外への事業承継の進展が背景にあるのかもしれない。

※ 本調査は、東京商工リサーチ(TSR)の企業データベース約440万社の代表者データ(個人企業を含む)から、公開された出身地を抽出、集計した。なお、同一人物が複数の企業で社長を務めている場合、売上高の大きい企業を優先し、重複企業は集計の対象外とした。集計対象外企業は32万9,830社。
※ 都道府県別の社長数は人口に左右される面もあり、出身都道府県別の社長数と人口(総務省「住民基本台帳人口」2025年1月1日現在)から、社長「輩出率」を算出した。本調査は2010年から集計し、今回が12回目。


社長「輩出率」、徳島県が8年連続トップ

 都道府県別の社長「輩出率」(社長数÷人口)は、トップが徳島県の1.34%(前回1.35%)で、8年連続トップを守った。古くから近畿圏と交易があり、産業や観光・文化等の振興が目的の「関西広域連合」に四国から唯一、加わる。
 2位以下は、山形県1.12%(前回1.14%)、香川県1.06%(同1.08%)、秋田県1.01%(同1.03%)、愛媛県0.98%(同0.99%)、広島県0.91%(同0.92%)、青森県0.89%(同0.89%)と続く。10位内を四国3県、東北4県が占める。
 一方、社長「輩出率」が最も低かったのは、埼玉県の0.26%(同0.26%)だった。次いで、46位が千葉県0.27%(同0.27%)、45位が神奈川県0.32%(同0.32%)で、42位の東京都0.49%を含む首都圏の1都3県が下位に並んだ。この他、44位に滋賀県0.35%(同0.36%)と43位に兵庫県0.45%(同0.45%)の近畿勢が並び、下位に首都圏や近畿圏が並んだ。
 2024年の社長の平均年齢は63.5歳(東京商工リサーチ調べ)で、社長たちが生まれた年に近い1960年の人口(国勢調査)と2025年の人口を比較すると、埼玉県が243万人から737万人、千葉県が230万人から631万人、神奈川県が344万人から920万人、滋賀県は84万人から140万人、兵庫県が390万人から539万人と、それぞれ大幅に増えている。このため、他県からの転入も併せた人口急増が計算上、「輩出率」を抑えたともいえる。

社長の「地元率」 沖縄県が12年連続トップ

 社長の出身都道府県と本社所在地が同一の「地元率」は、沖縄県が92.1%(前回92.4%)で調査を開始以来、12年連続でトップだった。47都道府県のうち、唯一の90%台を維持した。
 県内産業は、「3K」(観光、公共事業、基地)が中核で、他県から離れた距離感も背景にあるが、移住者も増えており地元率は0.3ポイントダウンした。
 東京商工リサーチが2025年5月に発表した“2024年「全国新設法人動向」調査”では、普通法人数に対する新設法人の割合が、沖縄県は15年連続で都道府県別トップだった。コロナ禍後も好調な観光産業が起業の後押しになっており、地元率首位の座はしばらく続きそうだ。
 2位以下は、愛知県88.4%(前年88.7%)、広島県86.9%(同87.2%)、北海道86.7%(同86.9%)、香川県85.8%(同85.9%)、宮城県85.5%(同85.7%)が続く。いずれも地域経済の中心で、Uターンを促す素地もあるようだ。
 愛知県や広島県は自動車産業の集積地であり、取引先や関連企業などのすそ野が広く、下請け企業の後継社長も押し上げた可能性がある。
 一方、「地元率」の最低は奈良県の63.6%(前年64.1%)。次いで、長崎県65.9%(同66.2%)、兵庫県66.7%(同67.0%)、鹿児島県69.1%(同69.4%)、山口県69.3%(同69.4%)、佐賀県69.3%(同69.0%)、千葉県69.4%(同69.9%)と続き、7県が70%を割った。
 大都市圏への流出が止まないが、見方を変えれば、他県で活躍する人材(社長)を多く輩出した県ともいえる。


 社長「輩出率」は、県民性だけでなく地理的条件や人口動態の要因も大きく、濃淡が見られる。日本全体は少子高齢化が止まらず、若年層が進学や就職で大都市圏へ流出し、そのまま大都市に就職する流れに歯止めが掛からない。「輩出率」は人口が分母のため、人口減少が進む県は「輩出率」が高くなる傾向もある。
 一方で、「地元率」は強い地場産業の有無や地理的条件、そして家族構成など、複雑な条件が絡み合う。また、後継者が不在で事業承継が難しい中小企業では、親族以外の第三者やM&A、事業譲渡などは、他の都道府県出身社長に交代し、「地元率」を押し下げる可能性もある。
 事業承継問題が大きく浮上しているが、今後は自治体の取り組み具合が「地元率」に反映されるかもしれない。

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