• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2025年11月の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産32件 2カ月連続で前年同月割れ、小康状態が続く

~ 2025年11月「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況 ~


 2025年11月のゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)を利用した企業の倒産は32件(前年同月比13.5%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。
 2025年1‐11月累計は395件(前年同期比26.7%減)で、前年同期(539件)を大きく下回った。この水準で推移すると、2025年は前年の572件を下回り、2022年の453件にも届かない可能性が出てきた。
 物価高や人件費上昇に加え、金利も上昇局面に入り、資金繰りに余裕を欠く企業は少なくない。政府、金融機関は事業再生に支援の軸足を移し、窮境企業には返済猶予などで対応。これが倒産抑制を促す側面もあるが、抜本的な再建策には至らずに業績回復が遅れ、支援に支えられた企業の息切れの行方が注目される。

 11月27日、金融庁の「事業者支援促進及び金融の円滑化に関する意見交換会」で、片山金融担当大臣は中小企業が直面する主要課題が「経営改善・事業再生」と指摘した。コロナ禍の各種支援策が一巡するなか、金融庁は経産省とともに中小企業の「事業再生に関するガイドライン」の実効性をさらに高める方針を示した。
 ただ、2009年12月の中小企業金融円滑化法の施行から、コロナ禍を経て返済猶予を繰り返している企業は多い。こうした企業の中には、事業の抜本的な再建策を打ち出せないまま、資金繰りの限界を迎える事態も想定される。
 年末・年度末に向けて資金需要が高まる時期に入るが、過剰債務を抱えて新たな資金調達に難航する企業は多い。さらに、物価高で「利益なき売上増」が続き、高い借入依存度で返済原資を捻出できず事業継続をあきらめる企業も増える可能性が高く、動向には注意が怠れない。

※本調査は、2025年11月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を受けていたことが判明した倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産 月次推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ