11月の「物価高」倒産 6カ月ぶり減の62件 通年は前年超えが確実、過去最多を更新へ
~ 2025年11月の 「物価高」倒産状況 ~
2025年11月の「物価高」倒産は、62件(前年同月比11.4%減)で、6カ月ぶりに前年同月を下回った。
1-11月累計は700件(前年同期比7.3%増)に達し、2022年以降の円安局面で通年最多だった前年の702件にほぼ並び、最多を更新することが確実になった。
一方で、負債総額は133億3,200万円(前年同月比54.8%減)と半減した。
円安が長引き、輸入財の価格上昇が物価上昇を招き、価格転嫁が難しい中小企業の資金繰りへの影響は深刻さを増している。このため、「物価高」倒産はしばらく増勢をたどる可能性が高まっている。
「物価高」倒産は、資本金別では1千万円未満が39件(構成比62.9%)、従業員数は10人未満が45件(同72.5%)と、小・零細企業が大半を占める。また、形態別は破産が60件(同96.7%)。
物価高が小・零細企業の経営を直撃し、事業の立て直しが難しいまま事業継続の断念に追い込まれる企業が多い実態を映し出している。
円安で物価上昇が続いている。さらに、最低賃金の改定による人件費も収益への影響を無視できず、物価高が中小企業の倒産をさらに押し上げることが懸念される。
※本調査は、2025年11月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(法的・私的)した企業を集計、分析した。
