2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る
~ 2025年1-11月の「人手不足」関連倒産 ~
深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。
1-11月の「人手不足」倒産の内訳は、 「人件費高騰」133件(同43.0%増)、「求人難」125件(同15.7%増) 、「従業員退職」101件(同53.0%増) と、それぞれ大幅に増えている。
賃上げや労働環境の改善などで劣勢に立つ中小・零細企業にとって「人手不足」問題は厳しい状況が続く。
連合(日本労働組合総連合会)は2026年春闘の闘争方針で、中小企業の賃上げ率を大手企業との格差是正を含め6%以上を目標に掲げる。だが、物価高と人手不足に苦しむ中小企業の賃上げは容易ではない。「人手不足」倒産は、資本金1千万円未満が226件(前年同期比34.5%増)と6割を占めており、賃金格差が拡大するなかで、賃上げ支援策の具体化が急務になっている。
※本調査は、2025年1-11月の全国企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「人手不足」関連倒産(求人難・従業員退職・人件費高騰)を抽出し、分析した。(注・後継者難は対象から除く)
