2025年10月の「円安」倒産は6件 40カ月連続で発生、1-10月累計は56件
2025年10月 「円安」関連倒産(10月31日現在)
 2025年10月の「円安」関連倒産は、6件(前年同月比±0.0%)で、40カ月連続で発生した。1-10月累計は56件(前年同期比16.4%減)だが、すでに2023年の年間件数(52件)を超えた。
 負債総額は14億1,200万円(前年同月比21.3%減)で、4カ月連続で前年同月を下回った。1-10月の累計は998億9,900万円(前年同期比231.2%増)で3.3倍に急増した。ことし2月、負債590億円を抱え民事再生の適用を申請した洋紙メーカーの丸住製紙(株)(愛媛県)が押し上げた。
 10月31日にドル/円相場は1ドル=154円台まで円が下落した。円安は輸入財の価格上昇を招き、物価高に直結する。円安トレンドのなかで物価の先行きは不透明で、しばらくは円安を一因とした倒産が高止まりする可能性が高い。
 10月の「円安」倒産は6件で、40カ月連続で発生した。産業別は、卸売業4件(前年同月2件)、建設業(同1件)と小売業(同2件)が各1件だった。価格交渉力が弱い企業ほど、コストアップ分の価格転嫁が難しく、円安を背景にした物価高を吸収する収益力が課題に上がる企業が多い。
