• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2025年8月の「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は27件 15カ月連続で減少、1-8月累計は3割減の276件

2025年8月「ゼロゼロ融資」利用後の倒産状況


 2025年8月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」利用後の倒産は、27件(前年同月比27.0%減)で、2024年6月から15カ月連続で前年同月を下回った。1-8月累計は276件(前年同期比34.1%減)で、同期間ではピークの2023年(445件)から37.9%減少し、2年連続で前年同期を下回った。  全国信用保証協会の「信用保証実績の推移」によると、代位弁済の件数も2025年3月から5カ月連続で前年同月を下回っている。ただ、人手不足が深刻さを増し、原材料やエネルギー価格の上昇なども重なるなか、コロナ借換保証でひと息ついている企業も少なくない。このため、借換保証が終了し、「ゼロゼロ融資」の返済が本格化する時期に倒産が増加に転じる可能性を残している。

 物価高や人手不足、困難な価格転嫁、金利上昇に加え、トランプ関税の発令など、経営リスクが高まっている。2024年3月にマイナス金利政策が終了し、同年6月末まで「コロナ借換保証」の取扱期間が延長されたが、その後は「経営改善サポート保証」など、経営改善や事業再生を目的とした支援に軸足を移した。  企業はこうした支援制度を積極的に活用し、自助努力で経営改善を進めることが求められる。

 財務省と金融庁が公表した「金融機関における貸付条件の変更等の状況について」によると、2025年4-7月末の政府系金融機関と銀行への返済猶予の申込件数は18万2,122件で、実行率は98.9%に達する。ただ、リスケで一時的な資金繰りを緩和させても、返済原資を利益償還できる収益力を回復できない場合、事業再生か事業継続の断念か、決断の時期を迎えることになる。

 ※本調査は、企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の利用が判明した倒産(法的・私的)を集計、分析した。

ゼロゼロ融資利用後倒産月次推移

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

三井住友銀行の「メインバンク取引社数」増加 ~ メガバンクで唯一増加、新設・中小企業向け脚光 ~

東京商工リサーチ(TSR)がまとめた「2026年メインバンク調査」で、三井住友銀行がメガバンクで唯一、社数が増加した。他に先駆けてデジタル総合金融サービスをリリースし、取引社数の増加につなげた。

2

  • TSRデータインサイト

「テレビ番組制作会社」の倒産 過去最多タイ コスト上昇と番組制作の予算削減で苦境

2026年1-8月のテレビ番組制作会社の倒産は14件で、同期間では最多の2010年に並んだ。このペースで推移すると、年間では2009年と2012年の21件を抜き、過去最多を更新する可能性が高まっている。

3

  • TSRデータインサイト

「一人で悩まず、まずは早めの相談を」 ~ 中小企業活性化全国本部 インタビュー ~

中小企業の伴走者として、中小企業活性化協議会の存在感が高まっている。 東京商工リサーチは、全国47都道府県の活性協を支援する中小企業活性化全国本部にインタビュー。再生支援の現場経験も豊富な松田正義氏、佐藤友泰氏、茂木俊裕氏の3名から話を聞いた

4

  • TSRデータインサイト

2026年1-8月の「税金滞納」倒産181件、前年超える 税金滞納が事業再建の障壁、破産が97.7%を占める

2026年8月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、26件(前年同月比73.3%増)と大幅に増加、4月から5カ月連続で前年同月を上回った。1-8月累計は181件(前年同期比58.7%増)に達し、8月で前年の年間160件を上回り、納税(納付)に苦慮する企業が多いことを示している。

5

  • TSRデータインサイト

倒産前の「事業譲渡」 コロナ後に高水準 2025年度は213件、旅館,ホテルが最多

主力事業を他社に譲渡した後、倒産手続きに入る「事業譲渡後の倒産」が、2025年度は213件発生した。2024年度は227件で、2年間の平均は220件となり、前回調査(2019年度-2023年度)の同189件を上回り、増勢が続いていることがわかった。

TOPへ