• TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、ふたたび増加 5月は196件 

 5月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が196件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万2,262件に達した。6カ月連続して月間200件を下回ったが、対前月比では2024年10月以来、7カ月ぶりに前月を上回り、今年初めての190件超えとなった。

 国内の企業数(358万9,333社、2016年総務省「経済センサス」)を基にした比率では、コロナ破たん率は0.341%で、全国の企業300社強に1社が破たんした計算となる。都道府県別で最も比率が高いのは東京都の0.591%、次いで福岡県の0.532%、宮城県の0.514%、群馬県の0.421%、大阪府の0.408%と続く。一方、最低は岐阜県の0.151%で、地域によってばらつきもみられる。
 コロナ関連破たんの件数は7カ月ぶりに前月を上回った。人手不足や物価高が要因の倒産が増加傾向だが、引き続きコロナ禍で痛手を受け、景気回復の波に乗れない企業も一定数存在する。また、依然としてコロナ融資の返済や、猶予措置を受けていた社会保険料の負担が重荷となっている企業も多い。コロナ破綻は当面、一進一退を繰り返しながら月間150~200件のペースで推移する可能性が高い。



【都道府県別】~ 累計300件以上は12都道府県 ~

  都道府県別では、東京都が2,473件と全体の2割強(構成比20.1%)を占め、突出している。以下、大阪府1,110件、福岡県721件、愛知県588件、兵庫県525件、神奈川県520件、北海道511件、埼玉県399件、広島県334件、千葉県319件、京都府310件、宮城県306件と続く。
 300件超えが12都道府県、200件~300件未満が4県、100件~200件未満も17県に広がっている。一方、10件未満はゼロで、最少は鳥取県の28件。





人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

M&A総研の関わりに注目集まる資金流出トラブル ~ アドバイザリー契約と直前の解約 ~

東京商工リサーチは、M&Aトラブルの当事者であるトミス建設、マイスHD、両者の株式譲渡契約前にアドバイザリー契約を解約したM&A総合研究所(TSRコード: 697709230、千代田区)を取材した。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業、中高年の活用に活路 「早期・希望退職」は大企業の2.8%が実施

 「早期希望・退職」をこの3年間実施せず、この先1年以内の実施も検討していない企業は98.5%だった。人手不足が深刻化するなか、上場企業の「早期・希望退職」募集が増えているが、中小企業では社員活用の方法を探っているようだ。

3

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

4

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2023年度「赤字法人率」 過去最小の64.7% 最小は佐賀県が60.9%、四国はワースト5位に3県入る

国税庁が4月に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2023年度の赤字法人(欠損法人)は193万650社だった。普通法人(298万2,191社)の赤字法人率は64.73%で、年度集計に変更された2007年度以降では、2022年度の64.84%を下回り、最小を更新した。

TOPへ