• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

「令和6年能登半島地震」関連破たん状況

全国で4件、過去の震災と比べ被害が表面化しにくく


 1月1日、石川県能登地方で震度7の地震発生から4カ月が経過した。これまでに判明した「能登半島地震」の影響による破たん(倒産1件、破たん3件)は、全国で4件だった。県別では、石川県3件、富山県1件。

 地震の影響による破たん件数は、東日本大震災(2011年3月)、熊本地震(2016年4月)と比べても少ない。これまでの大規模地震による関連破たんは、発生から2~4カ月後から目立ち始めた。今回の「能登半島地震」では、東日本大震災時の不渡報告への掲載猶予や裁判所の債権者からの破産申立への開始決定の猶予など、過去の震災で破たん抑制に効果のあった対応策がとられたことも寄与しているとみられる。さらに、コロナ禍で劇的な効果をみせた「ゼロゼロ融資」などの支援策で企業の手元流動性が高い状態にあることも寄与したようだ。

 「能登半島地震」は、震源地が企業の少ないエリアだったことから、過去の地震と比べて急激に破たんが増える可能性は低いだろう。ただ、漁業や農業、小売関係では、今後、破たんや廃業という形で顕在化する可能性が残る。また、業種的にも倒産の数字だけでは深刻な被害実態が見え難い構図になっている。
 地域の振興のためにも、資金支援にとどまらず、将来の展望を描きながら高いモチベーションを維持できる包括的な支援策の実行が急がれる。

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ